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今回のテーマは
メディアデザイン研究科の社会人・実務経験者受験の注意点です。
メディアデザイン研究科には、
- クリエイターとしての実務経験がある方
- デザイン・映像・Web・広告・IT領域で働いてきた方
- 企画・ディレクション・プロデュース経験者
など、多くの社会人受験生が集まります。
一方で、
「実務経験は評価されると思ったのに通らなかった」
「制作実績を出したが、研究として弱いと言われた」
というケースも少なくありません。
これは能力の問題ではなく、
社会人・実務経験者特有の“見せ方のズレ”が原因です。
1. MDでは「実務経験がある=有利」ではない
まず大前提として、
メディアデザイン研究科の入試は、
- 実績が多い
- クライアントワークをやってきた
- 商業的に成功した
という事実だけで、有利になる試験ではありません。
MDで評価されるのは、
- 経験の量
ではなく - 経験をどう問い直しているか
です。
経験が豊富な人ほど、
研究者視点に切り替えられているかが厳しく見られます。
2. 実務説明が評価につながらない理由
社会人受験生に多いのが、
- どんな仕事をしてきたか
- どんな表現を作ってきたか
- どんな成果を出したか
を、丁寧に説明するパターンです。
しかしMD入試では、
- それで何を研究するのか
- どこが未解決なのか
が示されなければ、
職務経歴の紹介で終わってしまいます。
MDでは、
「やってきたこと」ではなく
「なぜそうなっているのかをどう考えているか」
が問われます。
3. 成功体験が逆効果になる瞬間
実務での成功体験は強力な材料ですが、
この方法でうまくいきました
現場ではこれが正解でした
と語り切ってしまうと、
- すでに答えを持っている
- 研究によって変わらなさそう
という印象を与えてしまうことがあります。
MD研究科が求めているのは、
- 成功を再現する人
ではなく - 成功や失敗を問い直せる人
です。
4. 評価される社会人受験生の共通点
一方で、MDで評価される社会人受験生には、
明確な共通点があります。
- 実務経験を前提にしすぎていない
- 当時の判断を相対化できている
- 別の設計可能性を言語化できる
たとえば、
- なぜその表現を選んだのか
- 他の選択肢はなかったのか
- 条件が違えば、どうなったのか
といった問いを、
自分自身に向けられている人です。
5. 社会人受験生が陥りやすいNG姿勢
メディアデザイン研究科の社会人受験で、
特に注意したい姿勢は次の通りです。
- 即戦力アピールをしすぎる
- 実務を研究より上位に置いてしまう
- 学術や理論を「現場では使えない」と切り捨てる
これらは、
- 学び直す姿勢が見えない
- 研究科の趣旨を誤解している
と判断されやすくなります。
6. MDが社会人に本当に求めていること
メディアデザイン研究科が
社会人・実務経験者に求めているのは、
- 実績
- スキル
- 経験年数
ではありません。
求められているのは、
自分の経験を一度立ち止まって疑い、
メディアや表現の構造として考え直そうとする姿勢
です。
この姿勢が示せていれば、
年齢やキャリアは不利になりません。
まとめ|MD社会人受験の鍵は「経験を研究に変換できるか」
メディアデザイン研究科の
社会人・実務経験者受験で合否を分けるのは、
- 実績の派手さ
- 制作物の数
ではありません。
分かれ目になるのは、
自分の経験を、
研究対象として扱えているかどうか
という一点です。
経験は強力な素材ですが、
そのまま出すだけでは評価されません。
問い直し、構造化し、
研究として再配置できているか。
そこが、MD研究科で最も重視されるポイントです。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


