
- 1. 最初に募集要項で「事前連絡」の記載を探す
- 2. なぜ大学院入試では教授への事前連絡が話題になるのか
- 3. 研究科によって事前連絡の位置づけは異なる
- 4. 「事前連絡」と「事前了承」は同じではない
- 5. 事前連絡が必須でなくても教員研究は必要
- 6. 教授の名前だけで志望先を決めない
- 7. 連絡するなら研究テーマをある程度整理してから
- 8. 事前連絡のメールには何を書けばよい?
- 9. 最初から大量の資料を送る必要があるとは限らない
- 10. 教授への事前連絡はいつ頃すればよい?
- 11. 返信が来ないときはどうする?
- 12. 事前面談では何を話す?
- 13. 事前連絡で好感触でも合格が決まったわけではない
- 14. 反対に事前連絡をしていないだけで不合格とは限らない
- 15. 説明会や研究科イベントも情報収集に活用する
- 16. 教授と教務窓口のどちらに聞けばよい?
- 17. 事前連絡前に最低限確認しておきたいこと
- 18. 事前連絡は志望理由を見直す機会にもなる
- 19. 迷ったら「募集要項→研究科サイト→問い合わせ」の順で確認する
慶應大学院は教授への事前連絡が必要?研究科ごとの確認ポイント
院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する『慶應義塾大学大学院の院試対策ガイド』をご覧いただき、ありがとうございます。今回のテーマは『慶應大学院は教授への事前連絡が必要?研究科ごとの確認ポイント』です。
慶應義塾大学大学院への出願準備を進める中で、多くの受験生が悩むのが「希望する教授へ出願前に連絡したほうがよいのか」という問題です。大学院受験について調べると、「教授への事前連絡は必須」「連絡しなくても問題ない」といった異なる情報が見つかることがあります。
しかし、慶應大学院全体について「必ず連絡する」「連絡する必要はない」と一律に判断することはできません。研究科、専攻、課程、入試方式などによって、希望指導教員への事前連絡や事前相談の取り扱いが異なる可能性があるためです。
大切なのは、インターネット上の体験談だけを参考にするのではなく、自分が受験する研究科の最新の募集要項や公式サイトを確認することです。ここでは、教授への事前連絡について迷ったときに、どこを確認し、どのように行動すればよいのかを整理します。
最初に募集要項で「事前連絡」の記載を探す

教授へメールを送る前に、まず確認したいのが志望研究科の募集要項です。募集要項の出願資格、出願手続き、指導教員、研究指導、事前相談などに関する項目を確認しましょう。
研究科や入試方式によっては、出願前に希望する指導教員への相談などについて具体的な案内が設けられている場合があります。その場合には、自己流で連絡するのではなく、研究科が示している手順に従うことが基本です。
反対に、募集要項に事前連絡について明確な記載が見当たらない場合もあります。その場合も、すぐに「連絡不要」と判断するのではなく、研究科の入試案内、FAQ、教員紹介ページなどに関連する説明がないか確認してみましょう。
それでも分からない場合には、研究科が案内している入試に関する問い合わせ先へ確認する方法があります。
なぜ大学院入試では教授への事前連絡が話題になるのか
学部入試では、受験前に大学の教授へ自分から連絡することは一般的ではありません。そのため、初めて院試を受ける人にとって、教授への事前連絡は戸惑いやすいポイントです。
大学院では、入学後に特定の研究テーマについて研究指導を受けることになります。そのため、自分が研究したいテーマを指導できる教員がいるのか、その研究環境で実際に研究を進められるのかという点が重要になります。
特に研究室を中心として研究活動を行う分野では、「その大学院に入りたい」というだけではなく、「どの研究室で、誰から指導を受け、何を研究したいのか」という視点が重要になることがあります。
事前相談などが設けられている場合には、出願前に研究テーマと研究環境の適合性を確認する意味もあると考えられます。
研究科によって事前連絡の位置づけは異なる
慶應大学院には複数の研究科があり、教育・研究の仕組みも異なります。そのため、教授への事前連絡についても、すべての研究科に共通するルールがあると考えないほうがよいでしょう。
研究室単位で研究指導を行う分野と、複数の教員や領域を横断しながら研究を進める分野では、指導体制そのものが異なる場合があります。また、同じ研究科でも、修士課程と博士課程、一般的な入試と特定の入試方式などで手続きが異なる可能性があります。
そのため、「理系なら必ず必要」「文系なら不要」といった単純な分類で判断することは避けましょう。
前年に受験した人から「私は教授へ連絡しなかった」と聞いたとしても、自分が受験する年度や入試方式で同じとは限りません。最終的には、自分自身が受験する募集要項を確認する必要があります。
「事前連絡」と「事前了承」は同じではない
募集要項などを読む際に注意したいのが、似ているように見える言葉の違いです。
「事前に相談してください」「希望指導教員へ連絡してください」「指導の可否を確認してください」など、表現によって求められている対応が異なる可能性があります。
単に研究内容について相談することと、出願にあたって一定の確認を得ることを同じものとして扱わないようにしましょう。
募集要項に具体的な指示がある場合には、その文章を自分なりに解釈して手続きを進めるのではなく、記載されている方法に従います。意味が分からない場合には、研究科の問い合わせ先へ確認するほうが安全です。
事前連絡が必須でなくても教員研究は必要

「事前連絡が必要ないなら、教授について詳しく調べなくてもよい」というわけではありません。
大学院では、自分の研究テーマと研究科の研究環境が合っているかが重要です。そのため、出願前には教員紹介、研究者情報、研究室のページ、研究テーマ、論文などを確認し、自分の研究とどのような接点があるのかを調べておきましょう。
研究計画書で「○○について研究したい」と書いていても、そのテーマについて研究指導を受けられる環境がなければ、志望先との適合性に疑問が生じます。
反対に、希望する教員の研究テーマを理解したうえで、「自分はこの先行研究や問題意識を踏まえて、このテーマを研究したい」と説明できれば、志望理由をより具体的に考えることができます。
教授の名前だけで志望先を決めない
希望する教授が見つかったときに、その教員がいるという理由だけで研究科を決めてしまうことにも注意が必要です。
教員の所属状況や担当、研究指導に関する情報は変更される可能性があります。また、研究科によっては、希望した教員から必ず指導を受けられるとは限らない場合もあります。
そのため、「この教授がいるから受験する」だけではなく、研究科全体の教育内容、カリキュラム、研究領域、指導体制なども確認しておきましょう。
教員個人との研究上の接点と、研究科全体との適合性の両方を見ることが重要です。
連絡するなら研究テーマをある程度整理してから
事前連絡を行う場合には、「大学院に興味があります。お話を聞かせてください」だけでは、教員側も何について回答すればよいのか判断しにくくなります。
少なくとも、自分の経歴、現在考えている研究テーマ、なぜそのテーマに関心を持ったのか、なぜその教員の研究に関心を持ったのかを整理してから連絡するとよいでしょう。
研究計画書が完全に完成している必要があるとは限りませんが、何を研究したいのかがほとんど決まっていない段階では、具体的な相談をすることが難しくなります。
まずは教員の研究内容を調べ、自分の問題意識との接点を考える。そのうえで、必要に応じて連絡するという順番を意識しましょう。
事前連絡のメールには何を書けばよい?
教員へメールを送る必要がある場合には、長文を書けば熱意が伝わるというものではありません。相手が短時間で要件を把握できるように整理することが大切です。
一般的には、自分の氏名や所属などの簡単な自己紹介、受験を検討している研究科や課程、研究したいテーマ、その教員へ連絡した理由、確認・相談したい内容などを簡潔にまとめます。
特に重要なのは、「なぜその先生なのか」が分かることです。教員の研究内容をほとんど確認せず、「慶應大学院へ入りたいので指導してください」とだけ伝えるのでは、研究上の接点が伝わりません。
教員の研究テーマや公表されている研究成果などを確認したうえで、自分の研究との関連を整理しておきましょう。
最初から大量の資料を送る必要があるとは限らない
事前連絡をするとき、「研究への熱意を示すために、完成した研究計画書を添付しなければならない」と考える人もいます。しかし、必要な提出物や連絡方法について指定がある場合には、その案内を優先することが基本です。
指定がないにもかかわらず、初回のメールで大量の資料を添付したり、非常に長い研究計画を本文へ貼り付けたりすると、かえって要件が分かりにくくなることもあります。
研究科や教員から事前相談について具体的な案内が出ている場合には、それに従いましょう。何を送ればよいか分からない場合には、自己判断で大量の資料を送るより、まず必要事項を簡潔に伝えることを意識します。
教授への事前連絡はいつ頃すればよい?
事前連絡が必要だと分かってから、出願締切の直前に慌ててメールを送るのは避けたいところです。
教員にも授業、研究、学会、大学業務などがあり、すぐに返信できるとは限りません。また、研究テーマについて相談する場合には、一度のメールだけでは終わらず、その後に確認が必要になる可能性もあります。
具体的な期限や時期が公式に指定されている場合には、その案内を優先してください。指定がない場合でも、募集要項の公開時期や出願期間を確認し、研究計画を準備する時間も含めて余裕を持って動くことが重要です。
特に事前相談が出願手続きに関係する場合には、通常の出願締切だけを見て準備を始めないよう注意しましょう。
返信が来ないときはどうする?
教員へ連絡したものの、すぐに返信が来ないことも考えられます。返信がないからといって、直ちに「受験を断られた」「自分の研究テーマに興味がない」と判断する必要はありません。
メールを確認できていない、出張や学会などで返信が遅れているなど、さまざまな可能性があります。
一方で、短期間に何度もメールを送り続けることも避けたいところです。事前連絡が出願上必要な手続きであり、対応方法が分からない場合には、研究科の公式な問い合わせ先へ確認する方法もあります。
教員個人への連絡と、入試手続きについて研究科へ確認することを分けて考えることが大切です。
事前面談では何を話す?
事前連絡の結果、研究について話す機会が設けられた場合には、自分の研究計画について説明できるよう準備しておきましょう。
研究したいテーマだけでなく、なぜその問題に関心を持ったのか、どのような先行研究を読んでいるのか、何を明らかにしたいのか、どのような方法を考えているのかなどを整理しておくと、研究について具体的に話しやすくなります。
また、自分が話すだけではなく、教員からの質問や指摘を聞くことも重要です。自分では実現可能だと思っていた研究でも、研究対象が広すぎる、研究方法を再検討したほうがよいなど、新しい課題が見つかる可能性があります。
事前面談を単なる「合格のためのアピール」と考えるのではなく、自分の研究計画と研究環境との適合性を考える機会として捉えるとよいでしょう。
事前連絡で好感触でも合格が決まったわけではない
教授への事前連絡について、特に注意したいのが「先生から前向きな返事をもらえたから合格できる」と考えてしまうことです。
教員から研究テーマについて助言を受けたり、研究内容について話す機会を得たりしたとしても、それと正式な入学者選抜は分けて考える必要があります。
実際の合否は、研究科が定める選考方法に基づいて判断されます。研究計画書、専門科目、外国語、面接など、受験する入試方式で求められている準備を進めることが必要です。
事前連絡がうまくいったことで安心してしまい、肝心の院試対策がおろそかにならないよう注意しましょう。
反対に事前連絡をしていないだけで不合格とは限らない
インターネット上の体験談を読んで、「他の受験生は教授訪問をしているのに、自分は何もしていない」と不安になる人もいます。
しかし、事前連絡が出願上求められていない研究科・入試方式であれば、他の受験生が自主的に連絡しているという理由だけで、自分も同じことをしなければならないとは限りません。
重要なのは、自分が受験する制度上どのような対応が求められているかです。
「みんながやっているらしい」という情報よりも、最新の募集要項や研究科の公式な案内を優先しましょう。
説明会や研究科イベントも情報収集に活用する
いきなり教員へ個別にメールを送ることに不安がある場合には、研究科が説明会などを実施しているか確認する方法もあります。
説明会では、研究科の教育内容や入試制度について理解を深められる場合があります。教員の研究内容について知る機会が用意されていれば、自分が希望する研究テーマとの接点を考える材料にもなります。
また、「希望指導教員への事前連絡は必要ですか」といった入試手続き上の疑問については、説明会や公式な問い合わせ窓口で確認できる場合もあります。
研究科がどのような情報提供の機会を設けているかについても、公式サイトを定期的に確認しておきましょう。
教授と教務窓口のどちらに聞けばよい?
問い合わせ先を間違えないことも重要です。出願資格、必要書類、提出方法、締切、事前連絡が制度上必要なのかといった入試手続きに関する質問であれば、まず研究科が案内している入試担当などの問い合わせ先を確認します。
一方、「自分の研究テーマが先生の専門分野とどのようにつながるのか」といった研究内容については、教員との相談が関係する場合があります。
教授に入試事務の細かな手続きを問い合わせたり、反対に教務窓口へ研究内容そのものの評価を求めたりするのではなく、質問内容に応じて問い合わせ先を分けることが大切です。
事前連絡前に最低限確認しておきたいこと
教授への連絡を考えている場合には、メールを書く前に、募集要項、研究科の入試案内、希望する教員のプロフィール、研究テーマ、所属状況などを確認しておきましょう。
そのうえで、自分の研究テーマを簡潔に説明できる状態にします。「何を研究したいのか」「なぜその研究が必要なのか」「なぜその教員から指導を受けたいのか」という三つを整理するだけでも、連絡内容は具体的になります。
また、教員の名前や所属、役職などは必ず最新の公式情報を確認しましょう。過去の記事や古い研究室情報だけを参考にすると、現在の所属状況と異なっている可能性があります。
事前連絡は志望理由を見直す機会にもなる

教授への事前連絡について考えることは、「メールを送るべきか」という手続き上の問題だけではありません。
希望する教員を調べる過程で、「なぜこの研究科なのか」「自分の研究テーマと教員の研究にはどのような接点があるのか」を考えることになります。これは、そのまま志望理由や研究計画を具体化する作業につながります。
反対に、教員の研究を詳しく調べた結果、自分が考えていた研究テーマとは方向性が異なることに気づく場合もあります。それも重要な情報です。出願後ではなく、出願前にミスマッチへ気づければ、研究テーマや志望先を改めて検討できます。
事前連絡が必要かどうかにかかわらず、希望する研究環境について調べること自体が院試準備の一部だと考えておきましょう。
迷ったら「募集要項→研究科サイト→問い合わせ」の順で確認する
慶應大学院で教授への事前連絡が必要か迷ったときは、インターネット検索だけで答えを探し続けるのではなく、確認する順番を決めておくと整理しやすくなります。
まず、自分が受験する年度・研究科・課程・入試方式の募集要項を確認します。次に、研究科の入試ページ、FAQ、教員紹介などの公式情報を確認します。それでも事前連絡の扱いが判断できない場合には、研究科が案内している問い合わせ先へ確認します。
そして、教員への連絡が必要または適切だと確認できた場合には、教員の研究内容を十分に調べ、自分の研究計画を整理したうえで連絡するという流れです。
大学院入試では、「教授に連絡したほうが有利らしい」といった曖昧な情報だけで行動する必要はありません。重要なのは、自分が受験する研究科のルールを正確に把握し、自分の研究テーマと研究環境が合っているかを確認することです。
教授への事前連絡は、研究科によって位置づけが異なります。必要な場合には適切な時期と方法で行い、必要とされていない場合にも、教員や研究内容について十分に調べたうえで研究計画書や志望理由の準備を進めましょう。
この記事の内容は執筆時点の情報です。希望指導教員への事前連絡・事前相談・了承等の要否や方法は、研究科・専攻・課程・入試方式・年度によって異なる場合があります。受験を検討する際は、必ず慶應義塾大学および各研究科の最新の募集要項・公式サイトをご確認ください。
志樹舎
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


