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今回のテーマは「工藤瞳専任講師と比較教育学」です。


慶應義塾大学経済学部や大学院への進学を目指す皆さん。社会に存在する「格差」や「貧困」を根本から考えるとき、欠かせないテーマの一つが「教育」です。

同じ国の中でも、地域や家庭環境によって教育機会には大きな差があります。そして、その教育格差が将来の所得や生活にも影響を与えていきます。

こうした問題を、ラテンアメリカ地域を中心に「比較教育学」という視点から研究しているのが、経済学部で専任講師を務める工藤瞳専任講師です。

本記事では、工藤講師の研究内容や、研究室で重視されている視点について整理していきます。


比較教育学から社会構造を読み解く

工藤講師の専門分野は、比較教育学です。

特に、ペルーやチリなどのラテンアメリカ地域を対象に、教育政策や社会問題を研究しています。

比較教育学とは、国や地域ごとの教育制度を比較しながら、その背景にある社会構造や政治、経済、文化との関係を分析する学問です。

例えば、工藤講師は、ペルーにおける教育政策やNGO活動、児童労働を行う子どもたちへの教育保障などをテーマに研究を行っています。

また、チリの教育バウチャー制度や高等教育無償化政策についても分析しており、「教育制度が社会格差にどのような影響を与えるのか」という問いに向き合っています。

教育は単なる学校制度ではなく、社会そのものを映し出す鏡でもあるのです。


スペイン語を通して見える世界の多様性

工藤講師は、経済学部でスペイン語関連科目も担当しています。

ラテンアメリカ研究を行う上で、スペイン語は非常に重要な武器になります。

現地の論文や政策文書を読むだけでなく、人々の声や文化的背景を理解するためにも、言語は欠かせません。

工藤講師は、「スペイン語圏には共通点もある一方で、地域ごとに大きな違いも存在する」と指摘しています。

同じスペイン語を話す国々であっても、歴史、政治、自然環境、先住民の割合などによって、教育制度や社会のあり方は大きく異なります。

つまり、語学を学ぶことは、単に言葉を覚えることではなく、多様な価値観や社会構造を理解することにつながっていくのです。


教育と経済は深く結びついている

工藤講師の研究は、教育だけにとどまりません。

教育格差、貧困、地方格差、マイノリティ支援など、経済や社会政策とも深く関わっています。

例えば、教育を受けられない子どもが増えると、将来的な所得格差が広がる可能性があります。

逆に、教育政策が改善されれば、社会全体の機会格差を小さくできる可能性もあります。

そのため、教育研究は「学校の話」だけではなく、社会制度全体を考えることにつながります。

ラテンアメリカの事例を研究することは、日本社会の教育問題や格差問題を考えるヒントにもなります。


求められるのは好奇心と現地への関心

工藤講師の研究分野では、「海外の教育制度に興味がある」というだけでは不十分です。

その地域の文化や歴史、人々の暮らしまで含めて理解しようとする姿勢が求められます。

また、フィールドワークや現地調査への関心も重要です。

実際に現地で生活する人々が、どのような環境で教育を受けているのかを知ることは、データだけでは見えない社会のリアルを理解することにつながります。

「なぜその制度が必要とされたのか」「なぜ格差が生まれるのか」を、自分自身の視点で考え続けることが大切です。


研究計画書で意識したいポイント

工藤講師の研究室を志望する場合、研究計画書では「教育」と「社会問題」をどのように結びつけるのかを明確にすることが重要です。

例えば、教育格差、貧困、マイノリティ支援、地方教育、NGO活動など、どのテーマに関心があるのかを具体化します。

また、ラテンアメリカ地域を対象にする場合には、スペイン語文献や現地調査への意欲を示すことも重要です。

さらに、海外の教育政策を研究することで、日本社会の課題にどのような示唆を得たいのかまで考えられると、研究計画書に深みが出ます。

単に「海外に興味がある」というレベルではなく、「なぜその地域なのか」「なぜ教育なのか」を自分の言葉で説明できることが大切です。


まとめ:教育を通して社会を見る

工藤講師の研究は、ラテンアメリカの教育政策や社会問題を通じて、格差や貧困、社会構造そのものを読み解いていくものです。

そこでは、教育を単なる学校制度としてではなく、人々の人生や社会のあり方に直結するテーマとして捉えています。

また、スペイン語という言語を通して、多様な価値観や地域社会を理解する姿勢も重視されています。

「教育から社会を考えたい」「日本だけではなく世界の格差問題に向き合いたい」という方にとって、非常に魅力的な研究分野と言えるでしょう。

まずは工藤講師の研究テーマや著書に触れ、自分自身がどのような社会課題に関心を持っているのかを考えてみてください。


※本記事の内容は執筆時点の情報をもとに整理しています。最新の募集要項や研究内容については、必ず公式サイトをご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。