慶應大学院は何校まで併願できる?研究科選びと出願時の注意点

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慶應義塾大学の大学院受験を考え始めたとき、気になることのひとつが併願です。学部受験では複数の学部や大学に出願することが一般的ですが、大学院では研究科ごとに入試制度や求められる準備が異なります。そのため、単純に受験する研究科の数を増やせばよいとは限りません。今回は、慶應義塾大学大学院で複数の研究科を検討するときに確認したい入試日程、出願書類、研究テーマとの関係、準備の進め方について整理します。

慶應大学院では研究科ごとに入試制度を確認する

慶應義塾大学の大学院には、文学研究科、経済学研究科、法学研究科、商学研究科、理工学研究科、医学研究科、政策・メディア研究科、システムデザイン・マネジメント研究科、メディアデザイン研究科、経営管理研究科、健康マネジメント研究科など、さまざまな研究科があります。

大学院入試では、慶應義塾大学全体で一つの共通試験を実施し、その結果によって研究科を選ぶわけではありません。出願資格、出願期間、提出書類、試験内容、選考日程などは研究科によって異なります。そのため、併願を検討するときも「慶應大学院として何校まで受けられるのか」と考えるだけではなく、候補となる研究科の入学試験要項を一つずつ確認する必要があります。

特に注意したいのが、出願できることと実際に受験できることは別だという点です。複数の研究科に出願できたとしても、筆記試験や面接などの日程が重なれば、両方の選考に参加することが難しくなります。出願締切だけを比較するのではなく、選考の最終段階まで日程を確認することが大切です。

併願を考えたら選考日程を一つの表に整理する

併願候補が決まったら、最初に行いたいのがスケジュールの整理です。研究科ごとに出願開始日と締切日だけを書き出すのではなく、書類提出、筆記試験、面接、合格発表など、入学試験要項に記載されている日程をまとめて確認します。

ここで重要なのは、試験日だけでなく準備期間まで考えることです。例えば、二つの研究科の試験日が重なっていなくても、同じ時期に研究計画書や志望理由に関する書類を仕上げなければならない場合があります。さらに、その直後に筆記試験や面接が続けば、短期間に複数の対策を並行して進めることになります。

併願候補が三つ、四つと増えるほど、締切や試験日を頭の中だけで管理することは難しくなります。候補となる研究科ごとに、出願日程、必要書類、試験内容などを書き出して比較すると、自分が現実的に準備できる組み合わせが見えやすくなります。不明な事項がある場合は自己判断せず、各研究科が示している公式情報や問い合わせ先を確認しましょう。

研究計画書や志望理由は研究科ごとに考える

併願で特に時間がかかるのが出願書類です。研究科によって提出する書類や形式は異なるため、同じ慶應義塾大学大学院への出願であっても、それぞれの指定に沿って準備する必要があります。

注意したいのは、一つの研究科に向けて作った志望理由や研究に関する文章について、研究科名だけを変更して別の出願先に使用することです。研究科が変われば、所属する教員、扱われている研究領域、授業、研究環境も変わります。同じ研究テーマを扱う場合でも、「なぜこの研究科なのか」という部分は改めて考えなければなりません。

例えば、自分の関心が経営や組織にあるとしても、どのような視点から研究したいのかによって確認すべき研究科や教員は変わります。また、テクノロジー、メディア、社会など複数の領域にまたがるテーマであれば、異なる研究科に接点を見つけられる場合もあります。その場合も、それぞれの研究科で自分のテーマをどのように深めたいのかを整理することが必要です。

併願は、同じ文章を複数回提出する作業ではありません。自分の問題意識を軸にしながら、それぞれの研究科との接点を確認していく作業だと考えると、準備すべきことが見えやすくなります。

併願先は研究科名ではなく研究テーマから考える

併願先を選ぶときに避けたいのが、「入りやすそうだから」「有名な研究科だから」といった理由だけで候補を増やしてしまうことです。大学院は入学後に研究を進める場所であるため、自分が取り組みたいテーマとの関係から候補を考えることが重要です。

まず、自分が研究したいテーマを短い文章で説明できる状態にしてみましょう。次に、そのテーマに関係する研究を行っている教員や授業がどの研究科にあるのかを調べます。研究科の名称だけを見るのではなく、所属教員の専門分野や研究テーマ、カリキュラムなどを確認することで、当初は考えていなかった研究科が候補になることもあります。

反対に、名称からは自分に合っているように見えても、詳しく調べると自分が希望する研究との接点が少ないこともあります。併願候補を決める段階でこの確認をしておけば、志望理由や研究に関する書類を作成するときにも、「なぜこの研究科を受験するのか」を整理しやすくなります。

併願数を増やす前に準備量を具体的に考える

併願先を増やせば、その分だけ出願準備も増えます。検定料について研究科ごとの確認が必要になるほか、出願書類、筆記試験、面接なども、それぞれの選考内容に合わせて準備しなければなりません。

特に試験科目が異なる研究科を併願するときは注意が必要です。一方の研究科で必要な勉強が、もう一方の研究科の対策にそのまま使えるとは限りません。限られた期間の中で複数の専門分野を勉強しながら、それぞれの出願書類を作成することになれば、一つの研究科に使える時間は少なくなります。

そこで、候補を並べた段階で「この研究科のために何を準備する必要があるか」を具体的に書き出してみる方法があります。必要書類、試験科目、研究科や教員について調べる時間、面接に向けて整理しておく内容などを確認すると、併願数ではなく準備量という視点から判断できます。

また、教員への事前連絡などの扱いについても研究科によって異なる可能性があります。必要性や方法について自分で推測せず、入学試験要項や研究科の案内を確認したうえで対応しましょう。

まとめ

慶應義塾大学大学院で複数の研究科への出願を考える場合は、「何校受けるか」を最初に決めるのではなく、候補となる研究科の入試制度と自分の研究テーマを照らし合わせるところから始めると整理しやすくなります。

まずは各研究科の最新の入学試験要項を確認し、出願期間、提出書類、筆記試験や面接などの選考日程を整理します。そのうえで、所属教員の研究テーマやカリキュラムを調べ、自分が取り組みたい研究との接点を確認しましょう。複数の研究科に関心がある場合でも、それぞれについて「ここで何を研究したいのか」を説明できるかどうかを考えてみることが大切です。

併願は受験機会を増やすという面だけでなく、自分の研究テーマをどの研究環境で深めたいのかを比較する機会にもなります。出願数だけに目を向けず、必要な準備量や試験日程まで含めて検討し、自分が十分に準備できる範囲で候補を絞っていきましょう。


※本記事は記事作成時点の情報をもとに作成しています。入試制度、出願資格、提出書類、試験内容、カリキュラム、教員情報などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず慶應義塾大学および対象研究科の公式サイト、最新の入学試験要項をご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。