慶應大学院の募集要項はどこを見る?初めての院試情報収集

院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する『慶應義塾大学大学院の院試対策ガイド』をご覧いただき、ありがとうございます。今回のテーマは『慶應大学院の募集要項はどこを見る?初めての院試情報収集』です。

慶應義塾大学大学院への進学を考え始めたとき、最初にぶつかりやすいのが「何から調べればよいのか分からない」という問題です。大学院入試は、大学受験のように大学全体で一つの入試制度になっているわけではなく、研究科や課程、入試方式によって出願資格や選考方法などが異なります。

そのため、「慶應大学院に入りたい」と考えたら、まず自分が受験したい研究科を確認し、その研究科の公式情報を読むところから始めることが重要です。この記事では、初めて大学院入試を調べる人に向けて、募集要項の探し方から確認しておきたい項目、情報の整理方法まで順番に解説します。


最初に「研究科」を確認しよう

院試の情報収集を始める前に理解しておきたいのが、慶應義塾大学には複数の大学院研究科があるということです。それぞれ教育・研究内容が異なり、入試についても研究科ごとに案内されています。

まずは慶應義塾大学の公式サイトから大学院に関するページを確認し、自分の研究したい分野がどの研究科にあるのかを調べてみましょう。

この段階では、「経営に興味があるからここ」「メディアに興味があるからここ」というイメージだけで決めるのではなく、各研究科で実際にどのような研究が行われているのかを確認することが大切です。

似たテーマを扱っていても、研究科によって研究へのアプローチやカリキュラム、所属する教員などが異なる場合があります。研究科名だけではなく、教育内容まで確認したうえで候補を絞りましょう。


研究科が決まったら「入試情報」を探す

志望する研究科の候補が決まったら、次に研究科の公式サイトから入試情報を探します。「入試情報」「入学案内」「Admissions」などのページに、募集要項や出願に関する情報が掲載されていることがあります。

ここで重要なのは、自分が受験する「課程」と「入試方式」を間違えないことです。修士課程・博士前期課程と博士課程・博士後期課程では当然ながら入試が異なります。また、研究科によって複数の入試方式が設けられている場合があります。

社会人だから必ず社会人向けの入試になるとは限りません。自分がどの出願資格を満たし、どの入試方式を利用できるのかを募集要項で確認してください。


募集要項は最初から最後まで一度読む

募集要項を見つけたら、自分に関係がありそうな部分だけを拾い読みするのではなく、まず一度全体に目を通してみましょう。

特に確認したいのは、出願資格、出願期間、選考日程、必要書類、研究計画書などの指定書類、外国語に関する条件、試験科目、面接・口頭試問の有無、合格発表、入学手続きなどです。

研究計画書が必要な場合には、字数やページ数、指定様式の有無も確認します。外部英語試験を利用する場合には、利用できる試験の種類だけでなく、対象となる試験形式、スコアの有効期間、提出方法なども確認する必要があります。

選考項目の配点や評価方法がすべて公開されているとは限りません。公式に示されていない情報について、インターネット上の情報だけから「研究計画書が何割」「面接が何割」と判断しないことも大切です。


出願資格は早い段階で確認する

募集要項の中でも、最初に確認したい項目の一つが出願資格です。大学を卒業している人だけでなく、卒業見込みの学生、海外の大学を卒業した人、個別の入学資格審査が関係する人など、受験生の状況によって必要な確認事項が異なる場合があります。

特に社会人や海外大学出身者など、自分が一般的な出願資格に該当するのか判断しにくい場合には、早めに確認しておきましょう。

出願資格について個別の審査や事前手続きが必要な場合には、通常の出願締切より前に手続きを求められる可能性があります。「出願締切までに確認すればよい」と考えず、受験を検討し始めた段階で確認することが重要です。


研究計画書の指定を確認する

大学院入試では研究計画書など、大学院で取り組みたい研究について説明する書類が必要になる場合があります。研究計画書の作成を始める前に、募集要項や指定様式を確認しましょう。

研究科や入試方式によって、書類の名称、記載項目、文字数、ページ数、提出方法などが異なる可能性があります。インターネット上で見つけた一般的な研究計画書のテンプレートをそのまま使用するのではなく、まず志望先の指定を確認することが基本です。

また、研究計画を考える際には、教員紹介や研究科の研究内容も確認します。自分が研究したいテーマと研究科の専門領域が合っているのか、関連する研究を行っている教員がいるのかを調べておくことが大切です。


教員への事前連絡が必要かも確認する

大学院受験では、「出願前に教授へメールを送ったほうがよい」と聞くことがあります。しかし、教員への事前コンタクトの扱いは研究科によって異なるため、一律に行うものではありません。

研究科の公式サイトや募集要項に、事前相談や希望指導教員との連絡について案内がある場合には、その指示に従いましょう。反対に、特に案内がない場合に自己判断で連絡する前には、研究科のルールを十分に確認する必要があります。

また、教員の所属や研究テーマについても最新情報を確認しましょう。以前の記事や古い大学案内では在籍していても、現在は所属状況が変わっている可能性があります。


英語試験は早めに確認する

募集要項を確認する際、後回しにしないほうがよいのが外国語に関する条件です。外部英語試験のスコアが必要な場合には、出願直前から準備しても間に合わない可能性があります。

どの英語試験が利用できるのか、スコアについて条件があるのか、いつ受験したものが対象なのか、どのような方法で提出するのかを確認します。

特にTOEIC、TOEFL、IELTSなどの外部試験については、「慶應大学院だからこの試験が使える」と考えるのではなく、研究科・課程・入試方式ごとに確認してください。

英語試験が必要だと分かったら、出願締切から逆算して受験時期を決めます。希望する結果を一度で取得できるとは限らないため、余裕のある計画を立てることが重要です。


過去問の情報も公式サイトから確認する

筆記試験が行われる場合には、過去問についても確認しておきましょう。過去問題の公開状況や確認方法は研究科によって異なる場合があります。

過去問を確認できれば、どのような分野から出題されているのか、記述式なのか、どの程度の専門知識が必要なのかなど、勉強計画を立てる参考になります。

ただし、過去問に出た問題だけを覚えるのではなく、出題された分野を手がかりに周辺知識まで学ぶことが重要です。また、入試制度や出題形式が変更される可能性もあるため、過年度の過去問と最新年度の募集要項をセットで確認しましょう。


説明会や入試イベントの情報もチェックする

研究科によっては、入試や研究内容について知る機会が設けられることがあります。参加できる説明会などがある場合には、公式サイトの案内を確認してみましょう。

説明会では、ウェブサイトや募集要項だけでは理解しにくかった内容について説明を受けられる場合があります。また、研究科の教育方針やカリキュラムについて理解を深める機会にもなります。

ただし、説明会で聞いた内容についても、自分の受験年度の正式な出願条件は募集要項で確認することが基本です。入試に関する重要な条件は、記憶だけに頼らず公式情報へ戻って確認しましょう。


SNSや合格体験記は「補助情報」として使う

大学院受験について検索すると、ブログ、SNS、動画、掲示板などでさまざまな体験談を見つけることができます。実際に受験した人の経験は、勉強方法やスケジュールを考えるうえで参考になることがあります。

一方で、その人が受験した年度と自分が受験する年度では制度が異なる可能性があります。また、一人の受験生が経験した面接内容が、次年度も同じように行われるとは限りません。

そのため、「募集要項ではなく合格体験記を見て準備する」のではなく、「公式情報で制度を確認したうえで、体験談を補助的に読む」という順番がおすすめです。

日程、出願資格、必要書類、利用できる英語試験など、出願の可否に関わる情報については、必ず公式情報を優先してください。


分からないことは問い合わせる前にFAQも確認する

募集要項を読んでも分からない点がある場合には、研究科の公式サイトにFAQや問い合わせ案内がないか確認してみましょう。よくある質問としてすでに回答が掲載されている場合があります。

それでも判断できない場合には、研究科が案内している問い合わせ先へ確認する方法があります。その際には、「大学院について教えてください」と漠然と質問するのではなく、自分がどの課程・入試方式を検討していて、募集要項のどの部分について判断できないのかを整理すると質問が明確になります。

一方、合格可能性や研究テーマの良し悪しなど、事務的な問い合わせ先では回答できない内容もあります。問い合わせ窓口の役割を理解し、公式情報について確認が必要な場合に利用しましょう。


複数の研究科を検討するなら一覧表を作る

志望先が一つに決まっていない場合には、研究科ごとに情報を整理しておくと便利です。出願資格、出願期間、試験日、研究計画書、英語、専門科目、面接、希望指導教員に関する手続きなどを項目ごとにまとめてみましょう。

一覧にすると、「第一志望と第二志望で利用できる英語試験が違う」「出願時期が重なっている」「一方だけ研究計画書の指定が異なる」といった違いに気づきやすくなります。

また、確認したページと確認日を記録しておく方法もあります。大学院入試では準備期間が半年から一年以上になることもあり、その間に情報が更新される可能性があるためです。


前年の募集要項はどう使えばいい?

受験準備を早く始めると、自分が受験する年度の募集要項がまだ公開されていない場合があります。その場合には、過年度の募集要項を参考にして準備を始める方法があります。

前年の要項を見れば、例年どの時期に出願が行われているのか、どのような書類が求められているのか、どのような選考が行われているのかを知る手がかりになります。

ただし、前年と次年度の制度が同じとは限りません。過年度の情報はあくまで準備の参考として利用し、受験年度の募集要項が公開されたら、出願資格から提出方法まで改めて確認しましょう。


初めてなら「募集要項→教員→試験」の順に整理しよう

慶應大学院の情報収集では、最初から大量のウェブページを読む必要はありません。まず志望研究科を決め、募集要項で入試制度を把握する。その次に、教員紹介やカリキュラムを確認して、自分の研究テーマとの相性を調べる。そして筆記試験、英語、過去問、研究計画書など、実際の対策に必要な情報を集めるという順番で進めると整理しやすくなります。

大学院入試では、「知らなかった」ことで準備が遅れてしまうケースを避けることが重要です。英語試験の受験、証明書の準備、研究計画書の作成など、時間が必要なものもあります。受験を考え始めたら、まず一度募集要項を確認しておきましょう。

そして、一度確認したら終わりではなく、出願前にも最新情報を再確認してください。公式情報を基準にして準備する習慣をつけることが、慶應大学院の院試対策を進める第一歩です。


この記事の内容は執筆時点の情報です。募集要項、出願資格、出願期間、提出書類、外国語試験、筆記試験、面接・口頭試問、教員への事前連絡などの取り扱いは、研究科・課程・入試方式・年度によって異なります。受験を検討する際は、必ず慶應義塾大学および各研究科の最新の募集要項・公式サイトをご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。