慶應大学院の研究科を研究テーマから選ぶ方法
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慶應大学院の研究科選びで迷ったら?研究テーマから逆算する方法

院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「慶應義塾大学大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。今回のテーマは「慶應大学院の研究科選びで迷ったら?研究テーマから逆算する方法」です。

慶應義塾大学の大学院には複数の研究科があり、「自分はどの研究科を受験すればよいのだろう」と迷う方も少なくありません。特に、AI、教育、医療、メディア、サステナビリティ、経営など、複数の学問分野にまたがるテーマに関心がある場合は、一つの研究科だけが候補になるとは限りません。

例えば「AIを研究したい」という人でも、AIの技術そのものを開発したい人と、AIを教育に活用したい人、AIによって企業や働き方がどう変化するのかを研究したい人では、適した研究環境が異なります。

そこで重要なのが、最初に研究科を決めるのではなく、「自分は何を明らかにしたいのか」から研究科を逆算する考え方です。

この記事では、漠然とした興味関心から研究テーマを具体化し、教員や研究科の候補を絞り込んでいく方法を順番に整理します。

研究科選びで迷うのは珍しいことではない

慶應大学院の研究科選びに迷ったときの考え方

研究科選びで迷う背景には、いくつかのパターンがあります。

一つは、自分の関心そのものがまだ漠然としているケースです。「経営に興味がある」「教育を研究したい」「AIについて学びたい」という段階では、研究テーマとしてはまだ範囲が広く、どの研究科が適しているのか判断しにくいでしょう。

もう一つは、研究したいテーマはある程度決まっているものの、複数の研究科で扱えそうに見えるケースです。

例えば教育とテクノロジーを組み合わせた研究であれば、教育・学習そのものを研究するのか、新しい教育サービスを開発するのか、教育政策として考えるのかによって、候補となる研究環境は変わります。

このような場合に、「有名だから」「入りやすそうだから」「社会人が多そうだから」という理由だけで研究科を先に決めてしまうと、後から研究計画書と研究科の方向性が合わなくなる可能性があります。

研究科を選ぶ前に、自分の関心を一段ずつ具体化していくことが重要です。

最初は「好き」「気になる」から始めてもよい

大学院の研究テーマというと、最初から学術的で難しいテーマを考えなければならないと思うかもしれません。しかし、最初の段階では「なぜか気になる」「仕事をしていて疑問に感じた」「もっと詳しく知りたい」といった関心から始めても構いません。

例えば、「生成AIが教育を変えそうで気になる」「会社で新しいシステムを導入してもうまく定着しないことが気になる」「SNSによって消費者の行動が変わっているように感じる」といった問題意識です。

社会人の場合には、仕事の中で何度も経験してきた問題や、自分では解決できなかった課題が研究テーマの種になることもあります。

重要なのは、その関心をそのまま研究テーマにするのではなく、「なぜ気になるのか」「何が分かっていないと感じているのか」を掘り下げていくことです。

興味関心を具体的な問いに分解する

まずは、自分が漠然と関心を持っているテーマを、できるだけ具体的な問いへ分解してみましょう。

例えば「教育に興味がある」という関心であれば、学習のメカニズムそのものに関心があるのか、教育現場でのテクノロジー活用に関心があるのか、教育政策や制度に関心があるのかによって、近い研究科は変わります。

「マーケティングに興味がある」という場合も同様です。消費者の心理を研究したいのか、企業のマーケティング戦略を研究したいのか、SNSなどの新しいメディアと消費行動の関係を研究したいのかによって、必要となる学問や研究方法は異なります。

「何について研究したいか」だけでなく、「そのテーマについて何を知りたいのか」まで考えることがポイントです。

「分野」ではなく「何を明らかにしたいか」を考える

研究テーマを考える際にありがちなのが、「AI」「教育」「心理学」「経営」「国際関係」といった分野名だけで止まってしまうことです。

しかし、大学院で求められる研究計画では、分野名よりも「何を明らかにしたいのか」が重要になります。

例えば「SNSを研究したい」というテーマであれば、「SNS上の口コミは商品の購買意思決定にどのような影響を与えるのか」「SNSの利用は若年層の情報収集行動をどのように変化させているのか」など、複数の問いへ展開できます。

問いが変われば、マーケティング、心理学、メディア研究など、研究の軸も変わります。

「○○について研究したい」から、「○○について何を明らかにしたいのか」へ一段階進めるだけでも、研究科選びはかなり整理しやすくなります。

「対象者」を決めると研究テーマが具体的になる

研究テーマが広すぎる場合には、「誰を研究対象にするのか」を考えてみる方法があります。

例えば、「生成AIと教育」というテーマだけでは非常に広いですが、対象者を大学生に限定すると、「大学生による生成AIの利用が学習行動にどのような影響を与えるのか」といった形に具体化できます。

マーケティングであれば、若年層、高齢者、特定の商品を購入した人、特定のサービスを利用している人など、対象者を設定することができます。

経営研究であれば、中小企業、新規事業部門、管理職、営業担当者など、対象となる企業や組織、人を具体化する方法もあります。

対象者を決めることで、必要なデータや研究方法についても考えやすくなります。

「どこで起きている問題か」を考える

研究対象となる場面や場所を具体化することも有効です。

例えば、「人材育成」というテーマでも、企業内研修なのか、学校教育なのか、オンライン学習なのかによって研究内容は大きく異なります。

「医療DX」というテーマでも、病院の業務効率化を研究したいのか、患者が利用する健康管理サービスを研究したいのか、医療データの活用を研究したいのかによって、必要な専門分野は変わります。

「誰の」「どのような場面で起きている」「何についての問題なのか」を整理すると、漠然とした興味を研究テーマへ近づけることができます。

研究テーマから必要な学問分野を考える

研究テーマから必要な学問分野を整理するイメージ

研究上の問いが具体化してきたら、次に「その問いに答えるためには、どの学問分野の知識が必要なのか」を考えます。

例えば、「消費者がなぜある商品を選ぶのか」という問いであれば、マーケティングや消費者行動、心理学などが関係する可能性があります。

「企業が新規事業を生み出すためにはどのような組織が必要か」という問いであれば、経営戦略、組織論、イノベーションなどの研究と接点があります。

「地域の交通問題をどのように改善できるか」という問いであれば、政策だけでなく、システムデザイン、都市、データ分析など、複数の分野が関係する可能性があります。

研究科名から研究テーマを合わせるのではなく、自分の問いに必要な学問を考え、その学問を研究できる環境を探していくという順番が重要です。

同じテーマでも研究方法によって研究科が変わる

研究科選びでは、「何を研究するか」だけでなく、「どのように研究するか」も重要です。

例えば、SNSをテーマにする場合でも、投稿データを大量に分析する方法、利用者へアンケートを行う方法、インタビューによって利用経験を詳しく調べる方法、新しいSNSサービスを実際に制作して利用者の反応を検証する方法などがあります。

同じテーマであっても、統計的な分析を中心にしたいのか、質的な調査をしたいのか、制作やプロトタイピングを行いたいのかによって、適した研究環境は異なります。

研究テーマと研究方法をセットで考えると、自分が求めている研究環境をより具体的に判断できるようになります。

教員から逆算して研究科を探す

研究上の問いがある程度具体化したら、次に行いたいのが教員探しです。

大学院では、研究科の名称だけでなく、実際に誰から研究指導を受けるのかが非常に重要です。

まず、自分の研究テーマをいくつかのキーワードへ分解してみましょう。例えば、「生成AI」「教育」「学習行動」「大学生」といった形です。

そのキーワードを手がかりに各研究科の教員紹介を確認し、自分の問題意識に近い研究を行っている教員を探します。

気になる教員が見つかったら、プロフィールだけで判断せず、研究テーマ、論文、著書、研究プロジェクトなども確認するとよいでしょう。研究テーマが近く見えても、実際には対象や研究方法が大きく異なることがあります。

研究科より教員を先に探す方法もある

特に学際的なテーマの場合、「どの研究科が適切か」を最初から決めようとすると迷いやすくなります。

その場合には、研究科を先に決めず、自分の研究テーマに近い教員を慶應義塾大学全体から探し、その教員が所属している研究科を確認する方法もあります。

例えば、AIと教育、医療とデザイン、経営とデータ、環境と政策など、一つの学問領域だけでは捉えにくいテーマでは、この方法が有効です。

「この研究科だからこのテーマを研究する」のではなく、「このテーマを研究したいから、この教員と研究科が候補になる」という順番で考えることで、志望理由にも一貫性が生まれます。

過去の修士論文や研究成果を確認する

教員紹介とあわせて確認したいのが、その研究科で過去にどのような研究が行われているかという点です。

修士論文や研究成果、学生プロジェクトなどが公開されている場合には、自分の研究テーマと近いものがないか確認してみましょう。

研究科の紹介ページでは「学際的」「実践的」「社会課題を解決する」といった幅広い説明がされていても、実際の学生研究を見ると、その研究科でどのような研究が行われているのかを具体的にイメージしやすくなります。

タイトルだけを見るのではなく、可能であればどのような方法で研究しているのかにも注目してみてください。

伝統的な研究科と学際的な研究科をどう考える?

慶應大学院の研究科を比較するイメージ

慶應義塾大学の大学院を検討していると、特定の学問領域を深く研究する研究科と、複数の分野を横断する学際的な研究科の両方が候補になることがあります。

例えば、経営学、法学、心理学など、既存の学問領域の理論や研究方法を体系的に学び、その分野の中で研究を深めたいのであれば、専門分野を軸とした研究環境が適している可能性があります。

一方、社会課題や新しいテクノロジーなど、複数の分野を組み合わせなければ研究しにくいテーマの場合には、政策・メディア研究科、システムデザイン・マネジメント研究科、メディアデザイン研究科などの学際的な研究環境が候補になることもあります。

どちらが優れているということではなく、「自分の問いに答えるために、専門分野を深く掘る必要があるのか、複数の専門領域を横断する必要があるのか」という視点から考えることが大切です。

研究テーマが同じでも研究科によって視点が変わる

例えば「サステナビリティ」という同じテーマでも、企業の経営戦略として研究することもできますし、環境政策として研究することもできます。都市やエネルギーなどを含むシステム全体の問題として考えることもできます。

「医療」というテーマでも、医学そのものを研究する場合と、病院経営を研究する場合、デジタル技術を使った健康支援を研究する場合では、研究科選びが変わります。

つまり、「テーマが同じだから同じ研究科」というわけではありません。

研究科を比較するときには、「何を扱っているか」だけでなく、「そのテーマをどの視点から研究しているのか」を確認することが重要です。

研究テーマが広すぎる場合は「一つだけ」に絞ってみる

大学院受験を考え始めた段階では、「AIも研究したいし、経営にも興味がある。教育にも関心がある」といった状態になることがあります。

複数の関心を持つこと自体は問題ありません。しかし、すべてを一つの研究計画に入れようとすると、何を研究したいのか分からなくなってしまうことがあります。

その場合には、「今、一番明らかにしたいことは何か」を一つだけ選んでみましょう。

例えば、AI、経営、教育に興味があるのであれば、「企業における生成AI研修は従業員のAI活用行動にどのような影響を与えるのか」と設定すれば、複数の関心を一つの問いとして整理できる可能性があります。

関心を削るというよりも、一つの研究上の問いの中で、必要な要素だけを組み合わせるという考え方が有効です。

研究テーマが狭すぎる場合は一段上の問いを考える

反対に、実務経験などから非常に具体的なテーマを考えている場合、研究対象が狭すぎることもあります。

例えば、「自社の営業部門で使っている特定のツールを改善したい」というテーマでは、自社の業務改善に限定されてしまう可能性があります。

そこで、「営業支援ツールの導入は営業担当者の行動にどのような影響を与えるのか」というように、一段抽象度を上げて考えてみます。

具体的な経験を出発点にしながら、他の企業や組織にも当てはまる可能性のある問いへ変換することで、学術研究としての位置づけを考えやすくなります。

社会人は実務経験から研究テーマを探す

社会人の場合には、これまでの仕事を棚卸しすることで研究テーマの候補を見つけられることがあります。

成功したプロジェクトだけでなく、うまくいかなかった仕事、何度改善しても解決できなかった問題、組織内で意見が分かれたことなども振り返ってみましょう。

例えば、新しいシステムを導入しても利用されなかった経験があれば、「なぜ新しいシステムが組織に定着しないのか」という問題意識へ発展させることができます。

新商品が想定した顧客に選ばれなかった経験があれば、消費者行動やマーケティングに関する問いが生まれるかもしれません。

実務経験は「自分はこれだけ仕事をしてきた」というアピール材料だけではなく、研究上の問いを見つけるための材料として考えることが重要です。

研究テーマを一文で説明してみる

研究科を比較する前に、自分の研究テーマを一文で説明できるか試してみましょう。

例えば、「大学生の生成AI利用が学習行動に与える影響を研究したい」「中小企業における新規事業の意思決定プロセスを研究したい」といった形です。

一文にできない場合には、まだテーマが広すぎる可能性があります。

その場合は、「誰を対象にするのか」「何を調べるのか」「何との関係を明らかにするのか」をもう一度整理してみましょう。

研究テーマを短く説明できるようになると、教員探しや研究科比較だけでなく、研究計画書や面接の準備もしやすくなります。

研究テーマと教員の専門が完全一致する必要はない

教員を探していると、「自分とまったく同じ研究テーマを扱っている先生がいない」と不安になることがあります。

しかし、研究テーマが完全に一致している必要があるとは限りません。重要なのは、自分の研究に必要な理論、研究対象、研究方法などについて指導を受けられるかという点です。

例えば、自分が「生成AIを利用した学習」を研究したい場合、生成AIそのものを研究している教員だけではなく、学習行動、教育テクノロジー、人とコンピュータの関係などを専門としている教員が候補になる可能性があります。

教員を探す際には、研究テーマの名称だけでなく、その研究を支えている専門領域や研究方法まで確認してみましょう。

研究科候補は最初から一つに絞らなくてよい

研究テーマを考え始めた段階では、候補となる研究科を一つに決める必要はありません。

むしろ、最初は複数の研究科を候補として残し、「研究テーマとの近さ」「指導教員」「研究方法」「カリキュラム」「入試制度」などを比較したほうが、自分に合った研究環境を判断しやすくなります。

例えば、第一候補では研究テーマとの適合性が高いものの、第二候補では別の研究方法を学べるということもあります。

候補を比較する過程そのものが、「自分は何を研究したいのか」を明確にする作業にもなります。

研究内容だけでなく入試との相性も確認する

研究テーマに合う研究科が見つかっても、すぐに志望先を決定するのではなく、入試制度も確認する必要があります。

研究科や入試区分によって、出願資格、研究計画書などの提出書類、英語、専門科目、面接などの扱いは異なります。

特に、学部で学んでいない分野へ進学する場合には、入試までに必要な専門知識を準備できるかという点も重要です。

例えば、心理学に関心を持ったとしても、研究方法や統計などの知識が必要になる可能性があります。経済学を研究するのであれば、数学や経済学の基礎を求められる可能性もあります。

「研究したいテーマ」と「入試までに準備できること」の両方を考えながら志望校を決めることが大切です。

社会人は通学・時間割・研究時間も確認する

社会人の場合には、研究内容や入試制度だけでなく、実際に通学できるかどうかも重要な判断材料です。

社会人学生が在籍している研究科であっても、すべての授業が夜間や土曜日に行われるとは限りません。授業以外にも、研究指導、グループワーク、調査、制作などの時間が必要になる場合があります。

研究科の候補が絞れてきたら、キャンパス、授業時間、研究活動の進め方なども確認し、仕事と両立できるかを具体的に考えておきましょう。

「受験できるか」だけではなく、「入学後に継続して研究できるか」という視点が重要です。

説明会では何を聞けばよい?

候補となる研究科が見えてきたら、説明会や相談機会などを活用して、ホームページだけでは分からない情報を確認するとよいでしょう。

特に確認したいのは、自分の研究テーマを扱える可能性があるか、どのような研究指導が行われているか、学生がどのように研究テーマを決めているかといった点です。

社会人であれば、仕事を続けながら在籍している学生の学び方や、授業以外の研究活動にどの程度の時間が必要なのかを確認することも重要です。

「この研究科では何が学べますか」という大きな質問だけでなく、自分の研究テーマや現在の状況を整理したうえで質問すると、より具体的な情報を得やすくなります。

研究科を比較するときの5つの軸

複数の研究科で迷った場合には、「研究テーマとの適合性」「指導教員」「研究方法・研究環境」「入試制度」「入学後の継続可能性」という5つの視点から比較すると整理しやすくなります。

研究テーマとの適合性では、自分が明らかにしたい問いをその研究科で扱えるかを確認します。指導教員については、自分の研究に必要な専門性を持つ教員がいるかを確認します。

研究方法・研究環境では、実験、調査、データ分析、制作など、自分が取り組みたい研究方法を実践できるかを見ます。

さらに、出願資格や試験内容などの入試制度を確認し、社会人であれば通学や研究時間まで含めて、入学後に継続できる環境かを検討します。

この5つを並べて比較すると、「なんとなく良さそう」という感覚だけではなく、自分なりの基準で研究科を選びやすくなります。

志望理由書では「なぜこの研究科なのか」までつなげる

研究テーマから研究科を逆算して選ぶことは、志望理由書を作成する際にも役立ちます。

自分の経験や関心から問題意識が生まれ、その問題を研究するために特定の理論や研究方法が必要となり、それを学べる教員や研究環境がその研究科にあるという流れを作ることができるからです。

「慶應義塾大学だから志望しました」「有名な研究科だから学びたいです」という理由だけではなく、「自分の研究上の問いを追究するために、この研究科の研究環境が必要である」と説明できれば、志望理由と研究計画の一貫性を作りやすくなります。

研究科選びは、単なる進学先選びではなく、志望理由書や研究計画書を作るための重要な準備でもあります。

研究テーマが変わることを恐れなくてよい

研究科を調べたり、先行研究を読んだりする中で、最初に考えていた研究テーマが変わることもあります。

これは必ずしも悪いことではありません。調べる前には新しいと思っていた問いが、すでに多く研究されていることに気づく場合もあります。反対に、文献を読む中で、自分が本当に関心を持っていた別の問題に気づくこともあります。

重要なのは、最初に決めたテーマを無理に守り続けることではなく、先行研究や教員の研究内容を確認しながら、より具体的で研究可能な問いへ修正していくことです。

研究科選びに迷っている時間も、研究テーマを磨いていくプロセスの一部だと考えるとよいでしょう。

どうしても決められない場合は第三者に説明してみる

自分だけで考えていると、研究テーマが広いのか狭いのか、どの研究科と相性が良いのか分からなくなることがあります。

その場合には、自分が考えている研究テーマを、大学院受験に詳しい人や大学教員、大学院生などに説明してみる方法があります。

人に説明しようとすると、「自分は何を知りたいのか」「なぜそれを研究したいのか」が整理されていない部分に気づくことがあります。

「どの研究科がおすすめですか」と最初から答えを求めるよりも、「私はこのような経験から、この問題について、このようなことを明らかにしたいと考えています」と説明したうえで意見を聞くほうが、有益な助言を得やすくなります。

研究科選びは「関心→問い→方法→教員→研究科」で考える

慶應大学院の研究科選びで迷ったときは、順番を整理すると考えやすくなります。

まず、自分が何に関心を持っているのかを整理します。次に、その関心の中で何を明らかにしたいのかを研究上の問いへ変換します。

そして、その問いに答えるためにはどのような研究方法が必要なのかを考えます。実験なのか、アンケートなのか、インタビューなのか、データ分析なのか、制作なのかによって必要な研究環境も変わります。

そのうえで、自分の問いや研究方法と接点を持つ教員を探し、最後にその教員が所属している研究科のカリキュラムや入試制度を確認します。

「研究科→研究テーマ」ではなく、「関心→問い→研究方法→教員→研究科」という順番で考えることで、自分が大学院で本当に取り組みたい研究と志望先を結びつけやすくなります。

まとめ

慶應義塾大学の大学院で研究科選びに迷った場合は、研究科名から考え始めるのではなく、自分の興味関心から研究テーマを具体化し、そのテーマから研究科を逆算して探していく方法が有効です。

まず「何に興味があるのか」を整理し、「誰の、どのような問題について、何を明らかにしたいのか」という研究上の問いへ具体化します。そのうえで、必要な学問分野や研究方法を考え、自分のテーマと接点を持つ教員を探していきます。

候補となる研究科が複数見つかった場合には、研究テーマとの適合性、指導教員、研究方法・研究環境、入試制度、入学後の継続可能性という視点から比較するとよいでしょう。

研究科選びは、研究計画書や志望理由書を作る前段階でもあります。焦って一つに決めるのではなく、自分の問題意識を掘り下げながら、「なぜこのテーマを、この研究科で研究したいのか」を説明できる状態まで整理していきましょう。


※本記事は記事作成時点の情報をもとに作成しています。入試制度、出願資格、提出書類、試験内容、カリキュラム、教員情報などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず慶應義塾大学および対象研究科の公式サイト、最新の入学試験要項をご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。