KMDの研究計画書で先行研究はどう探す?

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院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「慶應義塾大学大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。今回のテーマは「KMDの研究計画書で先行研究はどう探す?」です。

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)への進学を目指し、研究計画を考える際に重要になるのが先行研究の調査です。研究したいテーマが決まっていても、「関連する論文が見つからない」「英語の論文をどう探せばよいか分からない」「見つけた論文を研究計画書にどう活かせばよいのか分からない」と悩む方もいるのではないでしょうか。

特にKMDは、情報技術、デザイン、メディア表現、教育、経営など、さまざまな領域に関係する研究を扱う研究科です。そのため、研究テーマによって参照すべき学術分野や論文の探し方も異なります。

先行研究の調査は、単に参考文献の数を増やすための作業ではありません。自分が関心を持っている課題について、これまでに何が明らかになっており、どのような研究方法が使われ、何が十分に検討されていないのかを理解するための重要な準備です。

今回は、KMDの研究計画を考える方に向けて、先行研究の探し方から読み方、整理方法、研究計画書への活かし方まで詳しく解説します。

そもそも先行研究とは何か?

先行研究とは、自分が取り組もうとしている研究テーマに関連して、これまでに研究者が行ってきた研究や、その成果を指します。

例えば、VRを利用した教育について研究したい場合には、VR教材の開発や学習効果の評価に関する論文などが先行研究になります。

また、スマートグラスの操作方法を研究したい場合には、ウェアラブルデバイスのインターフェースやユーザビリティに関する研究が参考になります。

先行研究を調べることで、自分が考えている研究テーマが、既存の研究とどのような関係にあるのかを理解できます。

研究計画を具体化するためには、まず関連する研究の蓄積を知ることが重要です。

なぜ研究計画書で先行研究が重要なのか

先行研究を調べる大きな目的は、自分の研究がどのような課題に取り組むのかを明確にすることです。

例えば、「AIを利用した学習支援を研究したい」と考えていても、すでに多くの研究が行われている可能性があります。

そのため、既存の研究ではどのような支援方法が検討され、どのような結果が得られているのかを確認する必要があります。

さらに、研究対象や評価方法などに違いがあるかを調べることで、自分の研究の位置づけを考えやすくなります。

先行研究を十分に確認せずに研究目的を設定すると、すでに明らかになっている内容を新しい課題として扱ってしまう可能性もあります。

研究計画書では、既存の研究成果を踏まえて、自分が何を明らかにしたいのかを説明することが大切です。

最初に研究テーマを検索キーワードへ分解する

先行研究を探す前に、自分の研究テーマを複数のキーワードに分けてみましょう。

例えば、「VRを利用した中学生の空間理解に関する研究」というテーマであれば、「VR」「教育」「空間理解」「中学生」などに分解できます。

さらに、それぞれの言葉について関連する専門用語を考えます。

例えば、VRであれば「virtual reality」、空間理解であれば「spatial understanding」や「spatial ability」などの英語表現が候補になります。

研究テーマをそのまま長い文章で検索するよりも、中心となる概念を分けて検索した方が、関連する研究を見つけやすくなる場合があります。

Google Scholarで先行研究を探す

KMDの研究テーマに関連する学術論文を検索するイメージ

先行研究を探す際に利用しやすいサービスの一つがGoogle Scholarです。

Google Scholarでは、学術論文や学位論文、書籍など、さまざまな学術資料を検索できます。

例えば、「virtual reality education」「human computer interaction wearable」「AI learning support」などのキーワードで検索することが考えられます。

検索結果では、論文のタイトルや著者、発表年などを確認できます。

また、ある論文がほかの研究からどの程度引用されているのかを調べる手がかりも得られます。

ただし、検索結果に表示された資料がすべて同じ水準の査読を受けているわけではありません。論文の発表先や内容を確認することが重要です。

CiNii Researchで日本語の研究を探す

日本語の学術資料を探す場合には、CiNii Researchも役立ちます。

CiNii Researchでは、国内の論文や研究成果などを検索できます。

例えば、「ユーザーインターフェース」「学習支援」「バーチャルリアリティ」「デザイン思考」などの言葉を使って検索することが考えられます。

日本語の研究を読むことで、研究分野の基本的な概念や専門用語を理解しやすくなる場合があります。

特に、学術論文を読み慣れていない方は、日本語の資料から研究分野の全体像を把握し、その後に英語の論文へ進む方法も有効です。

ACM Digital LibraryでHCIやデザインの研究を探す

KMDでHCIやインタラクションデザインに関心がある場合には、ACM Digital Libraryが参考になります。

ACMはコンピュータ科学に関する国際的な学会組織であり、ACM Digital Libraryでは関連する論文や国際会議の発表などを探せます。

例えば、HCI、ウェアラブルコンピューティング、ユーザーインターフェース、インタラクションデザインなどの研究を調べることができます。

スマートグラスや新しい入力方式に関心がある場合には、関連する研究がどのような実験や評価を行っているのかを確認するとよいでしょう。

ただし、論文によっては全文を読むために所属機関の契約や購入が必要になる場合があります。

IEEE Xploreで技術分野の研究を探す

IEEE Xploreは、電気電子工学や情報通信技術などの研究を探す際に役立つ学術情報サービスです。

例えば、センサー技術、ウェアラブルデバイス、ロボティクス、通信技術などに関心がある場合には、関連する論文を検索することが考えられます。

技術的な仕組みを中心に研究したい場合には、どのような手法が提案され、どのような条件で評価されているのかを確認するとよいでしょう。

ただし、研究テーマによって適切な情報源は異なります。HCIやデザイン研究であればACMの資料が参考になる場合もあり、複数の情報源を使い分けることが重要です。

国際会議の論文にも注目する

KMDに関係する技術やデザインの分野では、学術雑誌の論文だけでなく、国際会議で発表された研究も重要な情報源になります。

例えば、HCI分野ではACM CHIなどの国際会議が知られています。

また、ユーザーインターフェースに関する研究ではACM UIST、コンピュータグラフィックスやインタラクティブ技術ではSIGGRAPHなどの発表が参考になる場合があります。

ただし、各会議で扱われる研究の範囲は異なるため、自分の研究テーマとの関連性を確認することが大切です。

国際会議の論文を調べることで、研究者がどのような課題に注目し、どのような方法で研究を進めているのかを知ることができます。

KMDの教員プロフィールから研究を探す

KMDへの進学を考える場合には、公式サイトに掲載されている教員のプロフィールや研究活動を確認することも有効です。

例えば、自分が関心を持っている研究テーマに近い分野の教員がいる場合には、その教員がどのような論文や研究成果を発表しているのかを調べます。

研究業績を確認することで、研究テーマに関連する専門用語や、参照すべき学会・国際会議を見つけられる場合があります。

また、教員の論文に掲載されている参考文献から、関連する研究へと調査を広げることもできます。

ただし、過去に発表された研究が現在の研究指導内容と一致するとは限りません。教員の最新の研究活動や指導体制については、公式情報を確認することが重要です。

論文の参考文献から関連研究を探す

関連する論文を一つ見つけたら、その論文の参考文献を確認してみましょう。

学術論文では、研究背景や研究方法を説明する際に、関連する先行研究が引用されています。

参考文献をたどることで、その研究の基礎となった論文や、関連する研究を見つけられる場合があります。

例えば、VR教育に関する論文を読んだ場合、その論文で引用されている学習科学や教育工学の研究が参考になることがあります。

このように、一つの論文から関連する研究へと調査を広げる方法は、先行研究を体系的に理解するうえで有効です。

引用している論文から新しい研究を探す

参考文献をたどる方法とは反対に、ある論文を引用している新しい研究を探す方法もあります。

例えば、数年前に発表された重要な論文を見つけた場合、その論文を引用している研究を調べることで、その後の研究動向を確認できます。

Google Scholarなどでは、引用関係を調べる手がかりを得られます。

ただし、引用件数が多いことだけで、その論文が自分の研究テーマに適しているとは限りません。

研究内容との関連性や、研究方法の適切さを確認することが大切です。

英語のキーワードを使って検索範囲を広げる

KMDの先行研究を英語キーワードで調査するイメージ

KMDに関係する研究分野では、英語の論文を確認することが重要になる場合があります。

例えば、「ユーザーインターフェース」であれば「user interface」、「ウェアラブルコンピューティング」であれば「wearable computing」などの言葉が使われます。

また、「学習支援」であれば「learning support」、「遠隔共同作業」であれば「remote collaboration」などの表現が候補になります。

ただし、日本語の言葉をそのまま英訳しただけでは、研究分野で一般的に使われる用語と一致しない場合があります。

関連する論文のタイトルや要旨を確認し、実際に使われている専門用語を検索に取り入れることが大切です。

検索キーワードは組み合わせて使う

検索結果が多すぎる場合には、複数のキーワードを組み合わせる方法が有効です。

例えば、「virtual reality」だけで検索すると、教育、医療、エンタテインメントなど、幅広い分野の研究が表示されます。

そこで、「virtual reality education spatial ability」のように、研究対象や評価したい内容を加えます。

また、スマートグラスの操作方法に関心がある場合には、「smart glasses gesture interaction usability」などの組み合わせが考えられます。

検索結果が少なすぎる場合には、キーワードを減らしたり、より一般的な言葉に置き換えたりしてみましょう。

検索は一度で終わらせず、結果を確認しながら調整することが重要です。

同じ研究テーマでも専門用語が異なることがある

先行研究が見つからない場合には、検索に使っている専門用語が適切かどうかを確認しましょう。

例えば、「使いやすさ」という言葉に関心がある場合でも、関連する研究では「usability」「user experience」「interaction design」など、異なる概念や用語が使われることがあります。

ただし、これらは同じ意味ではありません。それぞれの概念の違いを理解したうえで検索する必要があります。

研究テーマに関連する用語を整理することで、検索範囲を広げながら、研究の焦点を明確にできます。

論文を見つけたら最初に要旨を読む

先行研究を調べる際には、見つけた論文を最初から最後まで読む必要があるとは限りません。

まずはタイトルと要旨を確認し、自分の研究テーマとの関連性を判断すると効率的です。

要旨には、研究の目的、方法、結果などが簡潔にまとめられていることが多くあります。

例えば、VR教育に関する論文であっても、対象が大学生なのか小学生なのか、学習効果を検証しているのか、教材の開発方法を扱っているのかによって、自分の研究との関連性は異なります。

要旨を読んで関連性が高いと判断した論文から、本文を詳しく確認するとよいでしょう。

論文を読むときに確認したい五つのポイント

先行研究を読む際には、研究目的、研究対象、研究方法、研究結果、研究の限界という五つの視点で整理すると分かりやすくなります。

まず、その研究が何を明らかにしようとしているのかを確認します。

次に、どのような対象者や環境を扱っているのかを調べます。

さらに、どのような実験や調査、分析を行ったのかを確認します。

そのうえで、研究によってどのような結果が得られたのかを整理します。

最後に、論文で示されている研究の限界や、今後の課題を確認します。

このような視点で論文を読むことで、単に内容を理解するだけでなく、自分の研究計画との関係を考えやすくなります。

研究の限界や今後の課題にも注目する

論文を読む際には、研究結果だけでなく、その研究の限界にも注目しましょう。

例えば、特定の年代の利用者だけを対象にしている場合には、ほかの年代でも同じ結果が得られるとは限りません。

また、実験室内での評価だけを行っている場合には、日常生活の環境で同じ結果が得られるかどうかは別の検討が必要になることがあります。

こうした限界を理解することで、自分の研究で検討できる課題を考える手がかりが得られます。

ただし、論文に書かれた限界をそのまま自分の研究テーマにするのではなく、研究目的や実現可能性と照らし合わせて検討することが重要です。

HCIの先行研究を探す場合

HCIに関心がある場合には、利用者の行動やインターフェースの設計、ユーザビリティ評価などに関する研究を調べることが考えられます。

例えば、スマートグラスの操作方法を研究したい場合には、「wearable computing」「smart glasses」「gesture interaction」「usability」などのキーワードが候補になります。

関連する論文では、どのような操作方法を提案し、どのような利用者を対象に評価しているのかを確認しましょう。

また、操作時間やエラーの発生回数、主観的な負担など、どのような評価指標が使われているのかを調べることも参考になります。

先行研究の調査を通じて、自分の研究で検討したい操作方法や利用場面を具体化できます。

VR・XRの先行研究を探す場合

VRやXRを研究したい場合には、技術的な仕組みだけでなく、利用者の体験や行動に関する研究も参考になります。

例えば、VRを利用した教育に関心がある場合には、「virtual reality learning」「immersive learning」「spatial understanding」などのキーワードが候補になります。

また、遠隔共同作業に関心がある場合には、「virtual reality collaboration」「embodied interaction」「remote collaboration」などの言葉を調べることが考えられます。

関連する論文では、どのようなVR環境を構築し、何を評価しているのかを確認しましょう。

特に、研究目的と評価方法の関係を調べることが、自分の研究計画を考えるうえで役立ちます。

AI・機械学習の先行研究を探す場合

AIや機械学習を利用した研究では、技術そのものに関する研究と、特定の分野への応用に関する研究を区別するとよいでしょう。

例えば、AIを利用した教育支援を研究したい場合には、「AI in education」「adaptive learning」「learning analytics」などのキーワードが候補になります。

また、生成AIを利用した学習支援に関心がある場合には、「generative AI education」などの言葉から検索を始めることが考えられます。

関連する論文では、どのような技術を利用しているのかだけでなく、どのような学習者を対象にし、何を評価しているのかを確認しましょう。

技術の新しさだけでなく、研究目的との関係を理解することが重要です。

デザイン研究の先行研究を探す場合

デザイン研究に関心がある場合には、デザインの成果物だけでなく、その設計過程や評価方法に関する研究も参考になります。

例えば、サービスデザインに関心がある場合には、「service design」「participatory design」「co-design」などのキーワードが候補になります。

また、ユーザー中心デザインに関心がある場合には、「user-centered design」「design research」などの言葉を調べることが考えられます。

デザイン研究では、利用者調査やワークショップ、プロトタイプ制作など、さまざまな研究方法が使われます。

先行研究を読む際には、研究者がどのような問いを設定し、制作や実践を通じてどのような知見を得ているのかを確認しましょう。

起業・スタートアップ研究の先行研究を探す場合

起業やスタートアップを研究したい場合には、経営学やイノベーション研究などの学術分野を確認することが考えられます。

例えば、大学発スタートアップに関心がある場合には、「university spin-off」「academic entrepreneurship」「technology commercialization」などのキーワードが候補になります。

また、初期顧客の獲得に関心がある場合には、「customer development」「entrepreneurial marketing」などの研究が参考になることがあります。

関連する論文では、どのような企業を対象にし、どのようなデータを使って分析しているのかを確認しましょう。

研究テーマによっては、インタビューや事例分析などの研究方法が参考になります。

書籍やニュース記事はどう活用する?

学術論文に加えて書籍や業界情報から研究背景を調べるイメージ

先行研究の調査では、学術論文以外の資料が役立つこともあります。

例えば、専門書は研究分野の基本的な概念や理論を理解するために参考になります。

また、ニュース記事や企業のプレスリリースなどは、技術やサービスの動向を知る手がかりになります。

ただし、ニュース記事やプレスリリースは、必ずしも学術的な検証を経た資料ではありません。

そのため、研究背景を説明する資料として利用する場合と、学術的な先行研究として利用する場合を区別する必要があります。

研究計画書では、資料の性質を理解したうえで、適切に活用しましょう。

先行研究を比較して整理する

複数の先行研究を見つけたら、それぞれの研究を比較してみましょう。

例えば、VR教育に関する研究であれば、研究対象となる学習者、使用している教材、評価方法、研究結果などを比較することが考えられます。

また、HCIの研究であれば、操作方法、利用環境、評価指標などを比較できます。

比較することで、研究によって共通している部分と、異なる部分が見えてきます。

こうした整理は、自分の研究がどのような課題に取り組むのかを考える際に役立ちます。

先行研究の整理表を作る

先行研究の調査を効率的に進めるためには、見つけた論文を一覧にして整理する方法がおすすめです。

例えば、論文タイトル、著者、発表年、研究目的、研究方法、主な結果、研究の限界、自分の研究との関係などを記録します。

これらの情報を表形式で整理しておくと、複数の研究を比較しやすくなります。

また、研究計画書を書く際にも、必要な情報をすぐに確認できます。

論文のURLやDOIなども記録しておくと、後から原文を確認しやすくなります。

先行研究は何本くらい読めばよい?

先行研究を調べる際に、「何本くらい読めば十分なのか」と悩む方もいるでしょう。

しかし、必要な論文数は研究テーマや研究分野、研究計画書の分量などによって異なります。

重要なのは、論文の数を増やすことではなく、自分の研究テーマに関連する主要な研究を理解することです。

例えば、研究対象や研究方法が近い論文を詳しく読むことで、自分の研究計画を具体化できる場合があります。

一方、関連性の低い論文を大量に集めても、研究の位置づけが明確になるとは限りません。

まずは関連性の高い研究を優先し、必要に応じて調査範囲を広げていきましょう。

先行研究が見つからない場合の考え方

研究テーマに関連する論文が見つからない場合には、検索方法を見直すことが重要です。

例えば、研究テーマを細かく限定しすぎている場合には、より広い概念で検索してみましょう。

また、専門用語の表現を変えたり、英語のキーワードを利用したりする方法も考えられます。

関連する研究分野が複数ある場合には、それぞれの分野から検索することも有効です。

ただし、先行研究が見つからないことを、そのまま研究の新規性と判断することは避けましょう。

まずは十分な調査を行い、既存の研究との関係を確認することが重要です。

先行研究の内容を研究計画書へどう反映する?

先行研究を調べた後には、その内容を研究背景や研究目的に結びつける必要があります。

例えば、既存の研究で特定の技術の有効性が示されている場合には、その成果を踏まえたうえで、自分の研究で検討したい条件や対象を説明することが考えられます。

また、既存の研究で十分に扱われていない利用場面がある場合には、その点を研究課題として検討できる可能性があります。

ただし、研究計画書では先行研究の内容を単に並べるだけでは不十分です。

既存の研究成果と自分の研究目的が、どのようにつながっているのかを説明することが重要です。

先行研究を引用するときの注意点

研究計画書で先行研究を引用する際には、著者名や発表年、論文タイトルなど、必要な出典情報を正確に記録しましょう。

また、論文の内容を自分の言葉で説明する場合にも、出典を明示する必要があります。

特に注意したいのが、論文の結果を実際よりも広く解釈してしまうことです。

例えば、特定の条件で得られた結果を、すべての利用者に当てはまる事実として説明することは適切ではありません。

先行研究の対象や方法、結果の範囲を確認し、正確に引用することが大切です。

参考文献の記載方法については、提出書類の指定がある場合には、その形式に従いましょう。

生成AIを先行研究の調査に使ってもよい?

生成AIを利用して、研究テーマに関連するキーワードを考えたり、専門用語の意味を整理したりすることは、調査の補助として役立つ場合があります。

例えば、日本語の研究テーマから英語の検索キーワードを考える際に利用する方法があります。

ただし、生成AIが提示する論文タイトルや著者名、研究内容が正確であるとは限りません。

実在しない論文や、不正確な出典情報が示される可能性もあります。

そのため、論文の存在や内容については、必ず学術データベースや出版社、学会などの情報源で確認する必要があります。

生成AIは調査の補助として利用し、研究の根拠となる情報は原典で確認することが重要です。

面接に備えて先行研究を説明できるようにする

大学院入試で面接や口述試験が実施される場合には、研究計画に関連する先行研究について質問される可能性も考えられます。

例えば、「どのような先行研究を参考にしたのか」「既存の研究と自分の研究は何が違うのか」「なぜその研究方法を選んだのか」といった質問が考えられます。

そのため、研究計画書に記載した論文については、研究目的や方法、結果を自分の言葉で説明できるようにしておくことが大切です。

先行研究を整理したメモを見返しながら、研究計画との関係を説明する練習をしておくとよいでしょう。

先行研究の調査は研究計画書を書きながら続ける

先行研究の調査は、一度行えば終わりというものではありません。

研究背景や研究目的を整理する中で、新たに調べる必要がある分野が見つかることがあります。

また、研究方法を検討する際には、似た方法を使った研究を追加で調べることも考えられます。

そのため、先行研究の調査と研究計画書の作成は、並行して進めることが重要です。

新しい研究を見つけた場合には、必要に応じて研究目的や方法を見直し、研究計画全体の完成度を高めていきましょう。

まとめ

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)の研究計画を考える際、先行研究の調査は研究テーマを具体化するための重要な準備です。

先行研究は、Google ScholarやCiNii Research、ACM Digital Library、IEEE Xploreなど、さまざまな学術情報サービスから探すことができます。

また、KMDの教員が発表している論文や、関連する学会・国際会議の研究成果を確認することも有効です。

論文を探す際には、日本語と英語のキーワードを組み合わせ、必要に応じて検索語を調整しましょう。

見つけた論文については、研究目的、研究対象、研究方法、研究結果、研究の限界という視点で整理すると、自分の研究計画との関係を理解しやすくなります。

重要なのは、先行研究の数を増やすことではなく、既存の研究で何が明らかになっており、自分の研究で何を検討したいのかを説明できるようにすることです。

先行研究の調査を研究背景や研究目的、研究方法の検討につなげ、説得力のある研究計画を目指しましょう。


※本記事は研究計画を考えるための一般的な解説です。KMDの出願書類における項目名や記載形式を指定するものではありません。学術情報サービスの収録内容や閲覧条件、入試制度、出願資格、提出書類、試験内容、カリキュラム、教員の所属・専門分野・研究指導体制などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の公式サイトおよび最新の入学試験要項をご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。