
KMDの研究計画書「研究目的」には何を書く?
- 1. 研究計画書における「研究目的」とは?
- 2. 研究背景と研究目的の役割を区別する
- 3. 「明らかにしたいこと」を一文で説明する
- 4. 研究目的を考えるための基本的な構成
- 5. 「作りたいもの」と「明らかにしたいこと」は違う
- 6. プロトタイプ開発を研究目的につなげる方法
- 7. 研究目的は研究背景で示した課題に対応させる
- 8. 研究目的は研究方法につながる形で書く
- 9. AIと教育をテーマにした研究目的の具体例
- 10. VR・XRをテーマにした研究目的の具体例
- 11. HCI・ユーザー中心デザインの研究目的の具体例
- 12. 起業・スタートアップ研究の目的を考える場合
- 13. 研究目的と研究課題の違い
- 14. 研究目的と仮説の関係を整理する
- 15. 研究目的には評価できる内容を盛り込む
- 16. 研究目的を複数並べすぎない
- 17. 研究目的は大きすぎても小さすぎても難しい
- 18. 研究目的と将来的な目標を区別する
- 19. 研究目的と社会的意義の違い
- 20. 研究目的と学術的意義の関係
- 21. 研究目的に使う言葉は具体的にする
- 22. 研究目的のキーワードを計画書全体で統一する
- 23. 研究目的を書いた後に研究方法を見直す
- 24. 研究目的をKMDの研究環境と照らし合わせる
- 25. 研究目的を第三者に読んでもらう
- 26. 研究目的を完成させるための確認ポイント
- 27. 研究目的は計画書全体を書きながら修正する
- 28. まとめ
院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「慶應義塾大学大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。今回のテーマは「KMDの研究計画書「研究目的」には何を書く?」です。
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)への進学を考え、研究計画をまとめる際に重要になるのが「研究目的」です。研究背景や研究テーマはある程度整理できていても、研究目的として何を書けばよいのか分からず、手が止まってしまう方もいるのではないでしょうか。
例えば、「AIを利用した教育サービスを開発したい」「VRによって新しいコミュニケーションを実現したい」「誰もが使いやすいデジタルサービスを作りたい」といった目標は、研究の出発点として考えられます。しかし、これらの表現だけでは、研究によって何を明らかにしたいのかが十分に伝わらない場合があります。
研究目的は、研究計画全体の方向性を示す重要な部分です。研究背景で示した課題に対して、自分の研究がどのような問いに取り組み、何を明らかにしようとするのかを具体的に説明する必要があります。
今回は、KMDの研究計画を考えるうえで押さえておきたい研究目的の書き方を、具体例を交えながら解説します。
研究計画書における「研究目的」とは?
研究目的とは、研究を通じて何を明らかにしたいのか、どのような知見を得たいのかを示すものです。
研究背景では、研究対象となる分野の現状や課題を説明します。一方、研究目的では、その課題に対して自分がどのような研究上の問いを設定するのかを示します。
例えば、オンライン学習における学習継続の問題に関心がある場合、研究背景では学習者が継続的に学習するうえでの課題や、既存の支援方法について整理します。
そのうえで、研究目的として「AIによる学習計画の提案が、社会人学習者の学習継続に与える影響を明らかにする」と設定することが考えられます。
研究目的を明確にすることで、その後に検討する研究方法や評価項目も整理しやすくなります。
研究背景と研究目的の役割を区別する
研究目的を書く際には、研究背景との違いを理解しておくことが重要です。
研究背景は、「なぜその研究が必要なのか」を説明する部分です。研究対象の現状や、先行研究で明らかになっていること、残されている課題などを整理します。
一方、研究目的は、「その課題に対して何を明らかにするのか」を説明する部分です。
例えば、研究背景でスマートグラスの操作負担に関する課題を示した場合、研究目的では、特定の操作方法が利用者の負担に与える影響を明らかにすることが考えられます。
研究背景と研究目的が対応していれば、読み手は研究の必要性と取り組む内容を理解しやすくなります。
「明らかにしたいこと」を一文で説明する
研究目的を書く前に、まず自分の研究で何を明らかにしたいのかを一文で説明してみましょう。
例えば、「VRを利用した教育について研究したい」という説明では、研究対象は分かっても、具体的な研究目的が明確ではありません。
そこで、「VRによる三次元的な情報提示が、中学生の空間理解に与える影響を明らかにする」と表現します。
このように、研究対象と明らかにしたい内容を組み合わせることで、研究目的が具体化します。
一文で説明することが難しい場合には、研究対象が広すぎたり、複数の研究目的が混在していたりする可能性があります。
まずは研究の中心となる問いを整理することから始めましょう。
研究目的を考えるための基本的な構成

研究目的を考える際には、「研究対象」「研究上の問い」「明らかにしたいこと」という三つの要素を整理すると分かりやすくなります。
研究対象とは、誰や何を研究するのかということです。例えば、社会人学習者、スマートグラス利用者、大学発スタートアップなどが考えられます。
研究上の問いとは、その対象について何を検討したいのかということです。例えば、特定の技術が利用者の行動にどのような影響を与えるのか、あるいは特定の取り組みがどのような条件で有効なのかといった問いが考えられます。
明らかにしたいこととは、研究を通じて得ようとする知見です。
これらの要素を整理することで、研究目的を具体的な文章へまとめやすくなります。
「作りたいもの」と「明らかにしたいこと」は違う
KMDへの進学を考える方の中には、アプリケーションやシステム、デバイスなどを開発したいと考えている方もいるでしょう。
しかし、「新しいアプリを開発する」「VRシステムを制作する」という説明だけでは、研究目的として十分ではない場合があります。
例えば、学習支援アプリを開発する場合、そのアプリを通じて学習者のどのような課題を検討するのかを考える必要があります。
また、VRシステムを制作する場合には、そのシステムを利用することで、どのような体験や行動の変化を検証したいのかを明確にします。
制作物は研究目的を達成するための手段となることがあります。制作を伴う研究では、開発するものと、それを通じて得たい知見を区別して説明することが重要です。
プロトタイプ開発を研究目的につなげる方法
KMDに関心を持つ方の中には、プロトタイプを制作し、利用者による評価を行う研究を考えている方もいるでしょう。
例えば、スマートグラスの新しい操作方法を提案する場合、操作方法を実装することだけで研究が完結するとは限りません。
その操作方法が利用者の操作時間や負担にどのような影響を与えるのかを検証することで、研究上の知見を得ることが考えられます。
研究目的としては、「歩行中のスマートグラス操作において、ジェスチャー操作が利用者の操作負担に与える影響を明らかにする」といった表現が考えられます。
この場合、プロトタイプの開発は研究を進めるための方法の一つになります。
何を制作するのかだけでなく、制作したものをどのように評価し、何を明らかにするのかを考えましょう。
研究目的は研究背景で示した課題に対応させる
研究目的を考える際には、研究背景で示した課題との整合性を確認する必要があります。
例えば、研究背景でオンライン学習における学習継続の問題を説明している場合、研究目的も学習継続に関係する内容であることが自然です。
一方、研究背景では学習継続の課題を説明しているのに、研究目的ではVR教材の映像品質を評価するといった内容になっている場合には、両者のつながりが分かりにくくなります。
研究目的を書き終えたら、研究背景で示した問題に対して、その研究がどのように答えようとしているのかを確認しましょう。
背景と目的が論理的につながっていることは、研究計画全体の説得力を高めるうえで重要です。
研究目的は研究方法につながる形で書く
研究目的を具体化すると、その目的を達成するために必要な研究方法も考えやすくなります。
例えば、「VRによる三次元的な情報提示が学習者の空間理解に与える影響を明らかにする」という研究目的であれば、異なる教材を利用した学習者の理解度を比較する方法が考えられます。
また、「スマートグラスの操作方法が利用者の負担に与える影響を明らかにする」という研究目的であれば、操作時間やエラーの発生回数、主観的な負担などを評価する方法が考えられます。
研究目的が曖昧なままでは、どのようなデータを集め、何を比較すればよいのかも定まりにくくなります。
研究目的と研究方法は、相互に確認しながら具体化することが重要です。
AIと教育をテーマにした研究目的の具体例
ここでは、AIを利用した学習支援を研究する場合を考えてみましょう。
最初の段階では、「AIを利用して教育を改善したい」という目標を持っているかもしれません。
しかし、この表現では研究対象や課題が広すぎます。
そこで、対象を社会人学習者に絞り、学習継続という課題に注目します。
さらに、AIによる学習計画の提案という支援方法を設定します。
すると、「社会人のオンライン学習において、AIによる学習計画の提案が学習継続に与える影響を明らかにする」という研究目的の候補が考えられます。
このように、研究対象、課題、技術、明らかにしたい内容を整理することで、抽象的な目標を具体的な研究目的へと発展させることができます。
VR・XRをテーマにした研究目的の具体例
VRやXRに関心がある場合には、新しい体験を実現したいという目標から研究を考えることがあります。
例えば、「VRを利用して新しいコミュニケーションを実現したい」という目標を考えてみましょう。
この場合、まず対象となるコミュニケーションの場面を具体化します。
例えば、遠隔地にいる人同士の共同作業に注目することが考えられます。
次に、共同作業におけるどのような課題を検討するのかを整理します。
その結果、「VR空間での共同作業において、身体動作の共有が参加者の協調行動に与える影響を明らかにする」という研究目的の候補が考えられます。
研究目的を具体化することで、どのようなVR環境を構築し、何を評価するのかを検討しやすくなります。
HCI・ユーザー中心デザインの研究目的の具体例

HCIやユーザー中心デザインに関心がある場合には、利用者の行動や体験に注目して研究目的を設定することが考えられます。
例えば、「高齢者にとって使いやすいデジタルサービスを開発したい」という目標を考えてみましょう。
この場合、まず対象となるサービスを具体化します。
例えば、オンライン行政手続きを対象とすることが考えられます。
さらに、操作上のどのような課題に注目するのかを整理します。
その結果、「高齢者によるオンライン行政手続きにおいて、画面構成の違いが操作負担に与える影響を明らかにする」という研究目的が考えられます。
このように、対象者、利用場面、評価したい内容を明確にすることで、研究目的を具体化できます。
起業・スタートアップ研究の目的を考える場合
起業やスタートアップに関心がある場合にも、研究目的を具体化することが重要です。
例えば、「スタートアップの成功要因を明らかにしたい」という目標は、対象となる企業や成功の定義が広すぎる可能性があります。
そこで、大学発の技術系スタートアップを対象にし、初期顧客の獲得に注目することが考えられます。
そのうえで、「大学発技術系スタートアップの初期顧客獲得において、研究者と顧客のコミュニケーションが果たす役割を明らかにする」という研究目的の候補が考えられます。
この場合には、企業へのインタビューや事例分析などの研究方法が考えられます。
研究目的を具体化する際には、必要な情報を収集できるかどうかも検討することが大切です。
研究目的と研究課題の違い
研究目的を考える際には、「研究課題」という言葉との違いにも注意しましょう。
研究目的は、研究によって最終的に何を明らかにしたいのかという方向性を示します。
一方、研究課題は、その目的を達成するために検討する具体的な問いとして整理することができます。
例えば、研究目的が「AIによる学習計画の提案が学習継続に与える影響を明らかにする」である場合、研究課題として「提案の頻度によって学習継続に違いが生じるか」「学習者の経験によって支援の効果が異なるか」などが考えられます。
ただし、研究目的と研究課題の区別や記載方法は、研究分野や書類の形式によって異なる場合があります。
重要なのは、研究目的と具体的な問いが対応していることです。
研究目的と仮説の関係を整理する
研究テーマによっては、研究目的に加えて仮説を設定することがあります。
仮説とは、研究を通じて検証しようとする予測や説明です。
例えば、「VRによる三次元的な情報提示が学習者の空間理解に与える影響を明らかにする」という研究目的に対して、「三次元的な情報提示を利用した学習者は、従来の教材を利用した学習者よりも空間理解の評価が高くなる」という仮説を設定することが考えられます。
ただし、すべての研究で仮説を設定する必要があるわけではありません。
探索的な研究やデザイン研究などでは、明確な仮説よりも研究上の問いを中心に進める場合もあります。
研究方法に応じて、研究目的と仮説の関係を整理しましょう。
研究目的には評価できる内容を盛り込む
研究目的を考える際には、研究によって得られる結果をどのように確認するのかも重要です。
例えば、「利用者の満足度を高める」という目標がある場合には、満足度をどのように測定するのかを検討する必要があります。
また、「学習効果を高める」という目標であれば、理解度や学習継続など、どのような指標を用いるのかを整理します。
研究目的に評価可能な内容が含まれていれば、研究方法との対応関係が明確になります。
ただし、評価指標を増やしすぎると、研究の焦点がぼやけることがあります。
研究目的に直接関係する評価項目を優先することが大切です。
研究目的を複数並べすぎない
研究テーマに対する関心が広い場合には、研究目的を複数並べてしまうことがあります。
例えば、「AIを利用した教育支援を開発し、学習効果を検証し、教育格差を解消し、さらに新しい教育サービスの事業化を目指す」という説明では、研究の中心となる目的が分かりにくくなります。
もちろん、一つの研究に複数の検討項目が含まれることはあります。
しかし、研究目的を考える際には、最も重要な問いを明確にすることが大切です。
例えば、学習継続に与える影響を明らかにすることを中心目的とし、サービスの事業化については将来的な展望として整理する方法が考えられます。
中心となる研究目的を明確にすることで、研究計画全体の一貫性を保ちやすくなります。
研究目的は大きすぎても小さすぎても難しい
研究目的を設定する際には、研究の範囲にも注意が必要です。
例えば、「AIによって教育格差を解消する」という目標は、社会的な意義がある一方で、一つの修士研究で達成するには範囲が広すぎる可能性があります。
一方、特定の画面の細かな変更だけを目的とする場合には、その研究によってどのような知見が得られるのかを説明しにくいことがあります。
そのため、研究目的は、研究期間内に取り組める具体性と、研究としての意義の両方を意識して設定する必要があります。
対象を限定しながらも、その研究によって得られる知見がどのような課題の理解につながるのかを考えましょう。
研究目的と将来的な目標を区別する
研究目的を考える際には、将来的に実現したい大きな目標と、大学院で明らかにしたいことを区別することも重要です。
例えば、「誰もが利用しやすいデジタル社会を実現したい」という目標を持つことは、研究への動機になります。
しかし、その目標を大学院での研究目的としてそのまま設定すると、具体的な研究内容が見えにくくなる場合があります。
そこで、大学院では「高齢者によるオンライン行政手続きにおいて、画面構成が操作負担に与える影響を明らかにする」という研究目的を設定することが考えられます。
この研究によって得られる知見を、将来的にデジタルサービスの改善へ活かすという説明であれば、大きな目標と具体的な研究を結びつけることができます。
研究目的と社会的意義の違い
研究目的と社会的意義を混同しないことも重要です。
研究目的は、研究によって何を明らかにしたいのかを示します。
一方、社会的意義は、その研究成果が社会や利用者にとってどのような価値を持つ可能性があるのかを説明するものです。
例えば、研究目的が「オンライン学習におけるAIによる学習支援の効果を明らかにする」である場合、社会的意義としては、学習者に適した支援方法の検討に役立つ可能性があることなどが考えられます。
研究目的と社会的意義を区別することで、研究で直接検証する内容と、将来的に期待される価値を整理しやすくなります。
研究目的と学術的意義の関係
研究目的を考える際には、その研究が学術的にどのような意味を持つのかも検討しましょう。
学術的意義とは、既存の研究に対して新たな知見を加えたり、研究対象への理解を深めたりする価値を指します。
例えば、スマートグラスの操作方法を研究する場合、単に新しい操作方法を提案するだけでなく、利用環境と操作負担の関係について新しい知見を得られる可能性があります。
また、教育支援に関する研究では、特定の支援方法がどのような条件で有効なのかを明らかにすることが、学術的な意義につながる場合があります。
ただし、学術的意義を説明するためには、先行研究を確認し、自分の研究がどの部分を検討するのかを明確にする必要があります。
研究目的に使う言葉は具体的にする

研究目的を書く際には、「改善する」「向上させる」「新しい価値を生み出す」といった抽象的な表現に注意しましょう。
例えば、「学習環境を改善する」という説明では、何をどのように改善するのかが明確ではありません。
そこで、「AIによる学習計画の提案が、学習者の学習継続に与える影響を明らかにする」と表現することで、研究対象と検討する内容が具体化します。
また、「使いやすいインターフェースを開発する」という説明であれば、どのような利用者の、どのような操作負担に注目するのかを明確にするとよいでしょう。
抽象的な言葉を具体的な研究対象や評価項目へ置き換えることで、研究目的の分かりやすさが高まります。
研究目的のキーワードを計画書全体で統一する
研究目的で使う言葉は、研究背景や研究方法などでも一貫して使用することが重要です。
例えば、研究目的では「学習継続」と表現しているのに、研究方法では「学習意欲」だけを評価している場合、両者の関係を説明する必要があります。
学習継続と学習意欲は関連する可能性がありますが、同じ概念ではありません。
また、「操作負担」と「操作時間」も、必ずしも同じ意味ではありません。
研究目的で何を明らかにしたいのかを定めたら、その内容に対応する評価方法や指標を検討しましょう。
研究計画書全体で言葉の意味を統一することで、論理的な一貫性を保ちやすくなります。
研究目的を書いた後に研究方法を見直す
研究目的を明確にした後には、研究方法がその目的に対応しているかを確認しましょう。
例えば、「AIによる学習支援が学習継続に与える影響を明らかにする」という研究目的であれば、学習継続をどのように測定するのかを検討する必要があります。
また、比較対象を設定するのか、一定期間の学習行動を観察するのかなど、具体的な方法を考える必要があります。
研究方法を検討する中で、当初の研究目的が広すぎることに気づく場合もあります。
そのような場合には、研究目的を見直し、研究期間内に検証できる範囲へ調整することが重要です。
研究目的をKMDの研究環境と照らし合わせる
研究目的が具体化できたら、KMDの教員の専門分野や研究活動との接点を確認することも重要です。
例えば、HCIやインターフェースに関心がある場合には、利用者の行動や体験に関する研究を調べることが考えられます。
また、VRやハプティクスに関心がある場合には、身体感覚や空間体験に関する研究が参考になります。
教育とテクノロジーに関心がある場合には、学習科学や教育工学に関係する研究を確認することもできます。
ただし、専門分野が近いという理由だけで、希望する研究指導を受けられるとは限りません。
教員の現在の研究活動や研究指導体制について、公式サイトや説明会などで確認しましょう。
研究目的を第三者に読んでもらう
研究目的を書き終えたら、自分以外の人に読んでもらうことも有効です。
研究分野に詳しくない人であっても、「誰を対象に、何を明らかにしようとしているのか」が理解できる文章になっているかを確認しましょう。
例えば、専門用語が多すぎる場合には、研究対象や目的が伝わりにくくなることがあります。
また、研究目的が一文の中に複数含まれている場合には、中心となる問いが分かりにくくなることがあります。
第三者からの質問や感想を参考にしながら、研究目的をより明確な表現へ修正していくことが大切です。
研究目的を完成させるための確認ポイント
研究目的を書き終えたら、いくつかの視点から内容を確認しましょう。
まず、研究対象が明確になっているかを確認します。誰や何を研究するのかが曖昧な場合には、対象を具体化する必要があります。
次に、研究によって何を明らかにしたいのかが、一文で説明できるかを確認します。
さらに、研究背景で示した課題と研究目的が対応しているかを確認します。
また、研究目的に対して適切な研究方法を考えられるか、研究期間内に取り組める範囲になっているかも重要です。
最後に、研究目的で使用した言葉が、研究計画書全体で一貫して使われているかを見直しましょう。
研究目的は計画書全体を書きながら修正する
研究目的は、最初から完成した形で書けるとは限りません。
研究背景を整理したり、先行研究を調べたりする中で、研究上の問いが変化することもあります。
また、研究方法を検討することで、当初の研究目的が広すぎることに気づく場合もあります。
そのような場合には、研究目的を見直し、研究計画全体の整合性を確認しましょう。
研究目的を修正することは、研究計画をより具体的にするための重要な作業です。
一度書いて終わりにするのではなく、研究背景や研究方法との関係を確認しながら、少しずつ完成度を高めていくことが大切です。
まとめ
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)の研究計画を考える際、研究目的は研究全体の方向性を示す重要な部分です。
研究目的では、研究背景で示した課題に対して、自分が何を明らかにしたいのかを具体的に説明する必要があります。
特に、システムやプロトタイプの開発を伴う研究では、「何を作るのか」と「その制作物を通じて何を明らかにするのか」を区別することが重要です。
また、研究目的を一文で説明できるように整理し、研究背景や研究方法との整合性を確認することで、研究計画全体の一貫性が高まります。
研究目的を複数並べすぎず、中心となる問いを明確にすることも大切です。
さらに、研究目的で使用する言葉や評価項目を研究計画書全体で統一することで、読み手にとって理解しやすい文章になります。
研究目的は、一度書いて完成するものとは限りません。先行研究の調査や研究方法の検討を通じて修正を重ね、自分が大学院で何を明らかにしたいのかを具体的に説明できる状態を目指しましょう。
※本記事は研究計画を考えるための一般的な解説です。KMDの出願書類における項目名や記載形式を指定するものではありません。入試制度、出願資格、提出書類、試験内容、カリキュラム、教員の所属・専門分野・研究指導体制などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の公式サイトおよび最新の入学試験要項をご確認ください。
志樹舎
では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。

