慶應大学院の面接では何を聞かれる?準備しておきたい質問

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慶應義塾大学大学院への進学を目指すうえで、面接は重要な選考の一つです。研究科や入試方式によって選考方法は異なりますが、面接や口頭試問が実施される場合には、提出した研究計画書や志望理由書の内容について詳しく質問される可能性があります。

大学院入試の面接は、一般的な就職活動の面接とは性格が異なります。「人柄が良ければ合格できる」というものではなく、自分が取り組みたい研究についてどこまで理解しているのか、その研究を大学院で進める準備ができているのか、そしてなぜ慶應義塾大学のその研究科を志望するのかを論理的に説明することが重要です。ここでは、慶應大学院の面接に向けて準備しておきたい質問と対策のポイントを整理します。


研究計画に関する深掘り質問は必ず準備する

大学院の面接で特に重要になるのが、提出した研究計画書に関する質問です。「なぜこの研究テーマを選んだのですか」「この問題に関心を持ったきっかけは何ですか」「この研究によって何を明らかにしたいのですか」といった基本的な質問から始まり、研究内容について徐々に深掘りされることを想定しておきましょう。

たとえば、「先行研究ではどこまで明らかになっていますか」「既存研究とあなたの研究との違いは何ですか」「なぜその研究方法を採用するのですか」「調査対象をその範囲に設定した理由は何ですか」といった質問です。研究計画書に書かれている一つひとつの記述について、「なぜそう考えたのか」を説明できる状態にしておくことが大切です。

特に注意したいのは、研究計画書を暗記するだけの対策です。面接官は、文章をそのまま読み上げられるかを確認しているわけではありません。研究テーマについて別の角度から質問された場合でも、自分の問題意識や先行研究との関係を踏まえて説明できるようにしておく必要があります。


研究の「新規性」と「意義」を説明できるようにする

面接対策では、自分の研究にどのような意義があるのかを短く説明する練習も重要です。研究計画書では数千字を使って説明できても、面接では「この研究にはどんな意味がありますか」と一言で聞かれることがあります。

その際には、「まだ十分に明らかになっていない点は何か」「自分の研究によって何が分かるようになるのか」「学術的または社会的にどのような意味があるのか」という順番で整理してみると答えやすくなります。

また、新規性を必要以上に大きく見せる必要はありません。「これまで誰も研究していません」と断言してしまうと、関連する先行研究を指摘されたときに説明が難しくなります。先行研究を踏まえたうえで、自分がどの部分に焦点を当てるのかを具体的に説明することが重要です。


「本当に修士課程で実施できるのか」も問われる

研究テーマそのものが興味深くても、修士課程の期間内で実施できなければ、研究計画として十分とはいえません。そのため、「この研究は修士課程の期間内で終わりますか」「必要なデータはどのように集めますか」「調査対象者を確保できますか」といった実現可能性に関する質問も想定しておきましょう。

さらに、「必要なデータが集まらなかった場合はどうしますか」「仮説とは異なる結果が出た場合はどう考えますか」「研究対象を変更する必要が生じたらどうしますか」といった質問をされる可能性もあります。

こうした質問では、完璧な回答を用意すること以上に、研究上のリスクを理解し、代替案まで考えていることが重要です。研究計画を作成する段階から、「予定通りに進まなかった場合」を想定しておくと、面接でも落ち着いて対応しやすくなります。


「なぜ慶應なのか」は具体的に答える

志望理由については、「なぜ大学院に進学したいのですか」という質問だけでなく、「なぜ慶應義塾大学なのですか」「なぜこの研究科なのですか」と掘り下げられることを想定しておきましょう。

ここで「有名な大学だから」「レベルの高い環境だから」といった一般的な理由だけでは、その研究科でなければならない理由が十分に伝わりません。研究科の教育内容、カリキュラム、研究領域、所属教員などを調べ、自分の研究テーマや将来像との接点を説明できるようにしておくことが大切です。

指導を希望する教員がいる場合には、その教員の専門分野についても確認しておきましょう。「なぜこの先生の指導を受けたいのですか」と聞かれた際に、教員名を挙げるだけではなく、自分の研究テーマと教員の研究領域がどのようにつながるのかを説明できる状態が理想です。


志望動機と修了後の将来像も整理しておく

「大学院で学んだことを将来どのように活かしたいですか」「修了後はどのような進路を考えていますか」といった質問も準備しておきたいところです。博士課程への進学、研究職、民間企業、起業、現在の仕事への応用など、進路は人によって異なります。

現時点で将来が完全に決まっている必要はありません。ただし、「大学院での研究」と「修了後の方向性」がまったく結びついていないと、進学目的が曖昧に見える可能性があります。研究を通じて何を身につけ、それを将来どのように活用したいのかという流れで整理してみましょう。


社会人受験生は仕事との関係も聞かれやすい

社会人が大学院を受験する場合には、「なぜ今のタイミングで大学院に進学するのですか」「仕事と研究をどのように両立しますか」「現在の実務経験と研究テーマにはどのような関係がありますか」といった質問も想定しておく必要があります。

実務経験は社会人受験生の強みになり得ますが、単なる業務経験の紹介にならないよう注意が必要です。仕事の中で感じた課題をそのまま研究テーマにするのではなく、それをどのような学術的な問いに置き換えたのかを説明できるようにしましょう。

また、働きながら通学する場合には、授業や研究時間を確保できるのかという現実的な点について確認される可能性もあります。勤務状況や学習時間の確保について、自分なりの見通しを持っておくと安心です。


研究計画の弱点を指摘されたときの対応も重要

大学院の面接では、面接官から研究計画の問題点や不足している点を指摘されることがあります。しかし、厳しい質問をされたからといって、それだけで否定的に評価されているとは限りません。

重要なのは、指摘に対して感情的になったり、無理に反論したりしないことです。「その点については十分に検討できていませんでした」「ご指摘を踏まえると、研究対象の範囲を再検討する必要があると考えます」など、相手の指摘を理解したうえで考えを整理する姿勢が求められます。

分からない質問をされた場合にも、知ったかぶりをする必要はありません。分からない点を認めたうえで、自分が現時点で分かる範囲を説明するほうが、研究に対する誠実な姿勢を示しやすくなります。


面接練習では「回答を暗記しない」ことが大切

面接対策としては、提出した研究計画書、志望理由書、職務経歴などを改めて読み返し、質問されそうな箇所を書き出してみましょう。「研究テーマを一分で説明してください」「研究の目的は何ですか」「先行研究との差は何ですか」「なぜ慶應なのですか」「修了後は何をしたいですか」など、基本的な質問には簡潔に答えられるようにしておきます。

ただし、回答文を一字一句暗記する方法はおすすめできません。想定していた表現と少し違う質問をされた途端に答えられなくなる可能性があるためです。「研究背景」「問題意識」「研究目的」「方法」「意義」といった要点ごとに整理し、その場の質問に合わせて組み立てて話せるように練習しましょう。

可能であれば、大学院入試に詳しい第三者に模擬面接をしてもらうのも有効です。自分では十分に説明できていると思っていても、第三者から見ると「専門用語が多すぎる」「結論が分かりにくい」「なぜ慶應なのかが伝わらない」といった課題が見つかることがあります。


オンライン面接の場合は環境面も事前に確認する

研究科や選考方法によってオンラインで面接等が行われる場合には、内容だけでなく通信環境にも注意が必要です。使用する端末、インターネット接続、カメラ、マイクなどは事前に確認しておきましょう。

また、カメラの位置が低すぎたり、顔が暗く映ったりすると、対面とは印象が異なって見えることがあります。実際に使用する環境で一度模擬面接を行い、自分がどのように映り、声がどのように聞こえるのかを確認しておくと安心です。


面接直前に確認したい質問

面接前には、「研究テーマを簡潔に説明できるか」「なぜそのテーマなのか」「先行研究との差を説明できるか」「研究方法を説明できるか」「研究期間内に実施可能か」「なぜ慶應なのか」「なぜその研究科なのか」「なぜその教員の指導を希望するのか」「修了後に何をしたいのか」といった質問を一通り確認してみましょう。

大学院入試の面接で重要なのは、模範解答を暗記することではありません。自分が提出した書類について、どこから質問されても自分の言葉で説明できる状態をつくることです。研究計画書を書き終えた段階をゴールにせず、面接官からどのような疑問を持たれるかを考えながら、研究計画そのものをもう一段深く理解しておきましょう。


この記事の内容は執筆時点の情報です。入試方式、面接・口頭試問の有無、選考方法、実施形式などは研究科や年度によって異なります。出願を検討する際は、必ず慶應義塾大学および各研究科の最新の募集要項・公式サイトをご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。