慶應大学院を目指すならいつから準備する?1年前からの院試スケジュール

院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する『慶應義塾大学大学院の院試対策ガイド』をご覧いただき、ありがとうございます。今回のテーマは『慶應大学院を目指すならいつから準備する?1年前からの院試スケジュール』です。

慶應義塾大学大学院の受験を考えたとき、「いつから院試対策を始めればよいのだろう」と悩む方は少なくありません。大学院入試では、筆記試験の勉強だけではなく、研究科選び、教員の研究分野の確認、研究テーマの設定、研究計画書などの出願書類作成、英語対策、面接対策など、さまざまな準備が必要になります。

必要な準備や選考方法、出願時期は研究科や入試方式によって大きく異なりますが、余裕を持って進めたいのであれば、受験予定時期のおよそ1年前から動き始めると、研究テーマや志望先をじっくり検討できます。ここでは、1年前から準備を始める場合を想定して、時期ごとに何をすればよいのかを整理します。


受験1年前:まずは入試制度と研究科を調べる

受験のおよそ1年前は、いきなり研究計画書を書き始めるのではなく、まず大学院入試そのものについて情報を集める時期です。慶應義塾大学には複数の大学院研究科があり、研究科によって入試制度や選考方法が異なります。

最初に確認したいのは、志望する研究科の募集要項です。出願資格、出願期間、試験日、選考方法、必要書類、外国語能力を証明するスコアの扱いなどを確認しましょう。現在公開されている募集要項が自分の受験年度のものではない場合でも、過年度の情報を確認することで、おおよその準備項目を把握する参考になります。ただし、次年度に制度が変更される可能性があるため、最新年度の募集要項が公開されたら必ず改めて確認する必要があります。

この段階では、一つの研究科に絞り込まず、関心のある研究科をいくつか比較しても構いません。カリキュラム、研究領域、所属教員、修了後の進路などを確認し、「自分は大学院で何を学びたいのか」を少しずつ明確にしていきましょう。


受験10〜9か月前:研究テーマと教員を調べ始める

志望する研究科がある程度見えてきたら、次に取り組みたいのが研究テーマの検討です。大学院入試では、「大学院に入りたい」という希望だけでなく、「大学院で何を研究したいのか」を具体化することが重要になります。

最初から完成された研究テーマを決める必要はありません。自分が関心を持っている社会問題、学部時代に学んだテーマ、仕事を通じて感じた課題などを書き出し、研究につながりそうな問いを探してみましょう。

同時に、研究科に所属する教員についても調べます。教員紹介ページだけでなく、論文や著書、最近の研究テーマなどを確認し、自分の関心と接点のある教員を探していきます。

研究科によっては、出願前の研究相談や教員への事前コンタクトについて案内が設けられている場合があります。必要性や方法は研究科によって異なるため、自己判断で進めるのではなく、公式サイトや募集要項に記載されたルールを確認してください。


受験8〜6か月前:先行研究を読み、研究計画の骨格をつくる

受験半年前までには、研究計画書の土台づくりを始めたいところです。自分が興味を持ったテーマについて先行研究を探し、「すでに何が明らかになっているのか」「まだ十分に検討されていない点は何か」を整理していきます。

この時期に意識したいのは、研究テーマを広げすぎないことです。たとえば「日本企業の経営について研究したい」だけでは対象が広すぎます。対象となる企業、業界、時期、現象などを絞りながら、修士課程で実施可能な研究テーマへ具体化していきます。

研究背景、問題意識、研究目的、先行研究、研究方法、期待される成果といった研究計画書の基本的な要素を整理し、まずは全体の骨格をつくってみましょう。この段階では文章の完成度よりも、「何を明らかにしたいのか」という研究の軸を固めることが重要です。


英語対策は研究計画書より早く始めることもある

院試準備で後回しにしやすいのが英語です。しかし、志望する研究科や入試方式によっては、外部英語試験のスコアなどが出願に関係する場合があります。

外部試験を利用する場合には、勉強期間だけではなく、試験の実施日、受験回数、結果が確認できる時期、スコアの有効性や提出方法なども考えてスケジュールを組む必要があります。「出願直前に受ければよい」と考えていると、希望するタイミングで受験できなかったり、必要な手続きが間に合わなかったりする可能性があります。

そのため、英語が必要な研究科を検討している場合には、1年前の情報収集段階で英語に関する出願条件も確認し、必要であれば早い段階から対策を始めましょう。


受験5〜3か月前:研究計画書を本格的に仕上げる

受験の数か月前になったら、研究計画書の作成を本格化させます。最初に作った研究計画が、そのまま完成版になることはほとんどありません。先行研究を追加で調べるうちに研究課題が変わったり、研究方法を見直したりすることもあります。

重要なのは、一度書いて終わりにしないことです。「研究目的と研究方法が対応しているか」「先行研究から研究課題へ論理的につながっているか」「修士課程の期間内に実施できる計画になっているか」などを確認しながら、何度も推敲しましょう。

第三者に読んでもらうことも有効です。自分では理解している内容でも、初めて読む人には論理のつながりが分からないことがあります。特に専門用語を多く使っている場合には、説明不足になっていないかを確認してもらいましょう。


専門科目がある場合は過去問から逆算する

筆記試験や専門科目が課される場合には、研究計画書と並行して試験対策を進めます。まず確認したいのが、出題範囲と過去問です。入手可能な過去問があれば、実際に目を通してみましょう。

最初から時間を測って解く必要はありません。「どの分野から出題されているのか」「どの程度の専門知識が必要なのか」「記述式なのか」といった傾向を把握し、自分に不足している知識を洗い出します。

そのうえで、基礎知識の復習、専門書の読み込み、論述練習など、自分に必要な対策へ時間を配分していきます。学部とは異なる専門分野へ進学する場合には、基礎知識の習得に時間がかかる可能性があるため、より早い段階から準備を始めると安心です。


出願1〜2か月前:必要書類をすべて確認する

出願が近づいたら、研究計画書だけに集中せず、出願手続き全体を確認します。必要書類は研究科や入試方式によって異なるため、募集要項を最初から最後まで読み直しましょう。

大学側が指定する書類だけでなく、自分で準備する証明書類などに時間がかかる場合があります。オンラインでの手続きが必要な場合も、締切日の直前にすべて行うのではなく、余裕を持って準備することが大切です。

また、複数の大学院や研究科を併願する場合には、それぞれ必要書類や締切日が異なります。一つのカレンダーに出願開始日、締切日、試験日などをまとめておくと管理しやすくなります。


出願後〜試験直前:面接対策を仕上げる

面接や口頭試問が行われる場合には、提出した書類をもう一度読み返しましょう。面接では、研究計画について「なぜこのテーマなのか」「先行研究との違いは何か」「どのような方法で研究するのか」「なぜ慶應のこの研究科なのか」といった質問を受ける可能性があります。

研究計画書を丸暗記するのではなく、内容を自分の言葉で説明できるようにすることが重要です。研究概要を一分程度で説明する練習をしたうえで、そこから研究背景、方法、意義などについて深掘りされても答えられるように準備しておきましょう。

模擬面接を行う場合には、あらかじめ用意した質問だけでなく、自分が予想していなかった角度から質問してもらうと、本番で考えながら回答する練習になります。


社会人は「勉強時間」より先に「固定時間」をつくる

社会人受験生の場合、仕事をしながら研究計画書、英語、専門科目などを同時に進める必要があります。「時間が空いたら勉強しよう」と考えていると、仕事が忙しい時期には院試対策が後回しになりがちです。

そこで、平日は文献を読む、休日の午前中は研究計画書を書くなど、院試準備の時間を先に予定へ組み込む方法があります。研究計画書の作成など、まとまった思考が必要な作業については、特に一定の時間を確保しておきたいところです。

また、繁忙期が分かっている場合には、その時期を避けて研究計画書を進めるなど、仕事の年間スケジュールから逆算することも重要です。


準備開始が遅くても、まず出願条件を確認する

「試験まで半年しかない」「出願まで数か月しかない」という場合でも、期間だけを見て諦める必要はありません。必要な準備量は、現在の知識、研究テーマの具体性、英語力、専門科目の有無などによって異なります。

準備が遅れている場合に最初に行いたいのは、志望研究科の募集要項を確認し、「出願までに絶対に必要なもの」を洗い出すことです。外部英語試験、研究計画書、各種証明書など、準備に時間がかかるものから優先順位をつけます。

そのうえで、研究計画書、筆記試験、面接など、選考で必要になる対策を整理しましょう。残された時間を均等に配分するのではなく、自分に不足している部分と入試で求められる内容を照らし合わせて、優先順位を決めることが重要です。


1年間の院試準備は「試験日」ではなく「出願日」から逆算する

大学院受験のスケジュールを立てるとき、試験日だけを基準にするのは注意が必要です。研究計画書や各種書類は試験より前の出願時点で完成していなければならないため、実際の準備期限は試験日より早く訪れます。

まず出願締切日を確認し、そこから「研究計画書の完成」「第三者による確認」「初稿作成」「先行研究の整理」「研究テーマの検討」と逆算していくと、必要な準備期間が見えやすくなります。

慶應義塾大学大学院を目指すのであれば、「1年前だからまだ早い」と考えるのではなく、まず研究科や入試制度を調べるところから始めてみましょう。早い段階で情報を集めておけば、研究テーマを考える時間や研究計画書を推敲する時間も確保できます。余裕のあるスケジュールを組み、自分が納得できる状態で出願を迎えることが大切です。


この記事の内容は執筆時点の情報です。出願時期、試験日、選考方法、提出書類、英語資格・外部試験の取り扱いなどは、研究科・入試方式・年度によって異なります。受験を検討する際は、必ず慶應義塾大学および各研究科の最新の募集要項・公式サイトをご確認ください。

志樹舎 では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。